ヤクザから16歳で覚醒剤を教えられ…33年間やめられず廃人寸前まで堕ちた55歳女性YouTuberが語る薬物依存の恐怖

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引っ越し先にあった覚醒剤

 父は一人娘に優しかったが、母は子育てに無関心だった。朝ごはんやお弁当を作ってもらった記憶すらない。そして、万年さんが小学4年生のときに離婚して家を出ていってしまった。

 家の中にポツンと一人残される日々。寂しさを紛らわすために、当時竹の子族が流行していた原宿の街で遊び倒した。やがて、父親は肝臓ガンが悪化して入院。そんななか、中二の時に警察沙汰を起こしたことがきっかけとなり母方に引き取られることになった。

「家を出た母は元ヤクザの愛人となっていました。私にはつっけんでしたが、男が来る時だけ態度が豹変する。夜は家にいなく、代わりに食卓の上に千円札が置いてあるだけだった。こんな家にはいたくないと、16歳でヤクザの知り合いを頼って家を飛び出しました」

 高校生だったが年齢を偽り、高島平のスナックで働き始めた。住まいは知り合いのヤクザがアパートの一室を用意してくれたが、

「そこがいつの間にか競馬のノミ屋の拠点になってしまったのです。私は土日に電話番。さらに、覚醒剤のパケも置かれるようになった」

 薬物に興味はあったがすぐには手を出さず、おかしな行動を続ける男たちを観察し続けた。皆、覚醒剤を入れると急に背中を丸めて大人しくなる。一日中黙って針を研ぎ続ける者。「盗聴器がしかけられている」と言い出してラジカセを分解しだす者。

「全員廃人じゃんって思って見ていました。私はいつか自分の決めたタイミングでやりたくなった時、やってみようって思っていました。経験者から『最初の1回目が肝心。ちゃんと楽しくキマれば、バッドトリップに入らず楽しく遊べる』と言われていたからです」

男はサルになる

 その日は半年も経たずにやってきた。16歳の大晦日。友達たちと初詣に出かける直前、急にお腹が痛くなった。これは一発入れるしかない。その場にいた男に「やりたい」と伝えると、パケを取り出し準備をしてくれた。だが、手をプルプルさせながら針を刺している男たちに任せるのは怖い。「自分でやる」。見よう見まねで刺してみた。すると、

「急にアドレナリンが出る感じでお腹の痛みがスパッと止まった。あー、これはいいと思いました。外に出ても凍えるくらい冷え込んでいるのに、まったく寒さを感じない。あらゆる不快感が消えて頭がスッキリするんです。朝まで遊んでもまったく眠くならなかった」

 その後、男とも一緒に薬物を使った。一度覚えると男女で堕ちていくのが定番パターンだが、

「私はそうはならなかった。確かには薬物を使った関係は気持ちがいいものですが、私にとっては苦痛の方が大きかったんです。覚醒剤を打った男は24時間延々と続けたがる。でも、あっちの方は全然勃たなくなるのです。『ちょっと待っててね』って必死に自分でしごき続けている。サルですよ。私はゆっくり時間をかけてを楽しみたいタイプで、とてもじゃないがあの状態にはついていけない。一人で楽しむのが好きでした」

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