我こそ日本ナンバーワン? 開業150年、横浜を巨大都市にした「鉄道」の軌跡

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 2022年のゴールデンウィークは新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための行動制限がなく、各地の行楽地は久々に人出が戻った。そのまま夏休みにも突入。鉄道業界や旅行業界は需要の戻りに期待を高まらせていた。

 特に、今年は鉄道開業150年という節目の年にあたるため、鉄道業界からの期待は高い。国土交通省は10月14日を鉄道記念日に制定し、毎年その前後にあたる土日には東京・千代田区の日比谷公園で鉄道フェスティバルを開催するなど鉄道業界を盛り上げてきた。

 しかし、2019年の鉄道フェスティバルは台風19号の接近により、2020年と2021年はコロナの感染拡大を防止する名目で中止。ここ3年は、開催されていない。

 今年の開催も暗雲が立ち込めているが、コロナ禍で鉄道イベントが開催されなくても影響は限定的だろう。それ以上に鉄道業界が危機感を募らせているのが、少子化や高齢化による鉄道需要の減退だ。少子化は人口減少、そして高齢化は現役世代が引退して通勤需要が減少する。中長期的に鉄道需要を減少させるだけに、これら2つの要因は無視できない。

 JR西日本は今年4月11日に「2017年から19年までの3年間における17路線30区間の収支・営業係数」を初公表した。日本でも有数な巨大鉄道会社であるJR西日本が赤字路線を公表し、その経営実態をつまびらかにしたことは鉄道業界を揺るがすには十分なインパクトがあった。

 JR西日本のような大手ですら経営が苦しいのだから、過疎化が進むローカル線の経営状態は容易に想像がつく。これまでにもローカル線では繰り返し存廃問題が浮上していた。万策尽きて、廃線になった路線も1つや2つではない。

 鉄道業界は150年という節目に明るい将来を描きづらくなっているが、それでも埼玉県さいたま市の鉄道博物館や京都府京都市の京都鉄道博物館などでは機運を高めようとイベントを企画し、なんとか盛り上げようとする姿勢は感じる。

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