6代目山口組から神戸山口組と絆會トップへの更なる襲撃は? 絆會トップが元サヤ復帰に二の足を踏むワケ

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最終局面なのか?

 5月以降、神戸山口組の最高幹部の自宅への襲撃が相次ぎ、約7年前に起こった6代目山口組の分裂もいよいよ最終局面に差し掛かったという指摘がある。実際はどうなのか。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

 これまでの流れをざっと振り返っておこう。今年5月8日未明に、神戸山口組の副組長で2代目宅見組の入江禎(ただし)組長(77)の自宅に車が突っ込み、6代目山口組傘下の組員が建造物損壊容疑で逮捕された。6月5日には白昼堂々、神戸山口組の井上邦雄組長(73)宅に計17発の拳銃が撃ち込まれ、こちらも6代目山口組傘下の組員が銃刀法違反容疑で逮捕された。

 その翌日の6日夜には、神戸山口組を脱退して絆會を結成した織田絆誠(よしのり、本名:金禎紀)代表(55)の自宅兼事務所に車が突っ込み、これまた6代目山口組系の組員が出頭し、建造物損壊容疑で逮捕されている。

強迫心理や焦り

「7年前に6代目山口組が分裂した後、じわじわと神戸山口組側の勢力が削られていく中で、“そろそろ神戸が白旗をあげるのではないか”と見ている6代目側の人間が少なくないということでしょう。分裂状態が解消した時に有利なポジションを得るためには、それまでの功績がモノを言いますから、それを求めてナンバー2の後はトップをという具合に『エスカレーション』が起こっている状況です」

 と竹垣氏は語る。ポストの数は決まっており、その争奪戦がすでに始まっているというわけだ。

「明日にでも分裂が終わるかもしれないという強迫心理や焦りが、6代目傘下組織を襲撃に駆り立てているように映りますね」(同)

 竹垣氏によれば現在はおよそ抗争と呼ぶ状況にないという。

「やられた後にカエシ(報復)がない以上、6代目側の一方的な襲撃ですよね。これまでいくつもターニングポイントがあったと思いますが、2020年7月に中核組織の5代目山健組(中田浩司組長)が神戸山口組を脱退して6代目山口組に移った時点で勝負あったと私は見ています」

 5代目山健組の先代は神戸山口組の井上邦雄組長。にもかかわらず、そこから脱退して6代目山口組に移籍したことの意味は大きい。

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