最大級の的屋系組織「極東会」傘下団体の幹部死亡の真相 松山眞一元会長の逝去との関連は?

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

神戸山口組・井上組長宅の銃撃直後

 東京駅から特急で約1時間半というアクセスの良さに加え、国営の海浜公園や魚市場などの人気スポットが多い茨城県ひたちなか市。休暇シーズンともなれば、街中が県外ナンバーの車で渋滞する、北関東でも屈指の観光地の一つだ。コロナ禍前までは国内最大級の野外音楽フェス「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」の開催地としても有名だった。

 そんな海辺の地方都市で、現在、暴力団事務所の撤去問題が持ち上がっている。事は去る6月7日、指定暴力団「極東会」傘下団体の組員2人が死亡した発砲事件に端を発する。

 地元記者によると、

「事件の発生は午後3時頃。近隣の学校に茨城県警から市教育委員会を通じて注意喚起があり、1時間も経たないうちにSNS上で『ひたちなか市で発砲事件』の情報が拡散しました。2日前の6月5日には、神戸市内で特定抗争指定暴力団・神戸山口組の井上邦雄組長の自宅が銃撃される事件が起きたばかり。一時は『暴力団の抗争事件か』と緊張感が漂いました」

 事件の現場となったのは、極東会系の2次団体の事務所が入るビル。関係者からの119番で救急隊が駆けつけたところ、同団体の桜井増美幹部(72)と結城嘉則組員(54)がビル1階で血を流して倒れていたのだという。2人は直ちに救急搬送されたが、桜井幹部は頭部、結城組員は胸部に銃撃を受けており、搬送先の病院で死亡が確認された。

カリスマだった松山元会長

 分裂した山口組の抗争事件ではなかったとはいえ、極東会といえば国内最大級の的屋(テキヤ)系組織。勢力は本拠の東京を中心に1都12県にまたがる。さらに、事件の1カ月前には、事実上のトップとして長らく会を束ねてきた松山眞一元会長(本名・曺圭化、享年94)の訃報が伝えられたばかり。

「松山元会長はカリスマ性があり、関東の他団体とも親類関係を結んでいただけに、警察当局も当然、死去の影響を注視しています。ただ、今回の事件に関しては、跡目争いとかの類いではなく、2次団体内の金銭トラブルが発端。事件当時は話し合いの場が持たれていたそうなのですが、その席で櫻井幹部が結城組員を銃撃し、さらに自殺を図ったというのが一連の経緯のようです。県警も内部のトラブルとして粛々と捜査を進めています」(捜査関係者)

 とはいえ、白昼堂々の銃撃で暴力団員が2人も死亡したことが、地元に与えた衝撃は大きい。ましてや前述の通り、ひたちなか市は観光が街の主要産業の一つ。

次ページ:今時、あんな街中にヤクザの組事務所が

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。