神戸山口「井上組長」本宅銃撃 このタイミングの理由、井上組長の胸のうちと求心力低下の“不穏”

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2020年にもリボルバーで銃撃

 ついに本丸も襲われたか――。ある程度予想されたこととはいえ、そのような印象を持った関係者も少なくなかったという。6月5日、特定抗争指定暴力団・神戸山口組の井上邦雄組長の自宅が銃撃された事件について、ここ最近、井上組長と何度かやり取りした経緯のある元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が語る。

 6月5日午後2時半ごろ、神戸市北区鈴蘭台の井上組長の自宅で発砲事件が発生し、直後、近くの交番に拳銃1丁を所持した男が出頭した。男は銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された。

「銃撃は6代目山口組弘道会野内組の組員によるものと言われています。この組員の過去を少し振り返っておくと、2016年3月、長野県飯田市で神戸山口組系関係者に対する暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕・起訴されています。その後の2020年12月には、岡山県倉敷市にある神戸山口組系の組事務所で銃撃があった後に殺人未遂や銃刀法違反(発射)容疑で別の組員と共に逮捕されましたが、その後、岡山地検はこの組員を不起訴処分にしています」

 と、竹垣氏。ちなみに事務所1階にいた幹部にリボルバー(回転式拳銃)で数発発射したが、銃弾は命中しなかったという。

賞揚等禁止命令の直後

 竹垣氏が続ける。

「先月には、神戸山口組ナンバー2の入江禎2代目宅見組組長の自宅が“車両特攻”を受けたのは記憶に新しいところだと思います。その翌月に井上組長の自宅へ発砲ですから、いよいよ“本丸”を攻めたと評する声は大きいですね。倉敷での事件と同じリボルバーを使って14発も発砲したようです」

 井上組長宅の玄関扉はいかにも堅牢だが、そこに刻まれた銃痕は生々しいものがある。

「井上組長の鈴蘭台の本宅が狙われるのは初めてですが、県内、稲美町の別宅は2017年6月に狙われたことがあります。その時も銃弾が撃ち込まれましたね。銃撃を行った6代目傘下の組長ら3人は服役中で2025年秋の出所が予想されています。これに対して、兵庫県側は6代目トップに賞揚等禁止命令を出しました。今年5月のことです」(同)

 賞揚等禁止命令とは暴力団対策法に基づくもので、慰労金や出所祝いの譲渡などを禁じている。

「“本丸襲撃”がなぜこのタイミングなのか。先ほどお話したようにナンバー2の自宅がやられていますからいつあっても不思議ではなかったというのはあるでしょう。加えて、賞揚等禁止命令が5月20日付で出されていますから、“その後すみやか”にという狙いもあったかもしれません」(同)

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