人妻に手を出し、突然夫から呼び出された41歳男性 彼女の“信じがたい言い訳”と鼻を折られて残った感情
「四十にして惑わず」
孔子のこの言葉を受け止めながら「全然ダメだな、オレは」と思っている男性は少なからずいるだろう。「ダメ」の程度はさまざまかもしれないが、「僕はダメ王だと思っている」と自ら名乗る男性がいる。【亀山早苗/フリーライター】
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「いや、ちゃんと生きてきたつもりですよ。友だちを裏切ってはいけない、周りの人をハッピーにしたい。そんな思いで生きてきた、ごく普通の男なんです、本当は。なのになぜか何もかもうまくいかない……」
大井一哉さん(41歳・仮名=以下同)は顔をくしゃくしゃにして悔しそうにそう言った。
「今気づいた、厄年か」
そんな言葉も吐いた。どこか愛嬌があって憎めないタイプだ。
一哉さんは北関東の兼業農家に生まれ、高校入学と同時に都内の親戚宅で暮らすようになった。
「実家は母と父方の祖母の折り合いが悪くて、両親もケンカばかり。ケンカといっても言い合ってくれればまだいいんだけど、なんとなく険悪な雰囲気が漂っている。7歳年上の姉は高校を卒業すると都内の専門学校に入学することになり、出ていきました。そのとき僕は11歳。それからはなんとか家を出る方法を考えた。姉に相談したら、東京の私立校にダントツの成績で入ればいいんじゃないかと言われて。無謀なことを言いますよね」
だが一哉さんはその言葉を真に受けた。そして必死で勉強した。塾へも行かず自力で都内屈指の私立校に合格したのだ。
「でも父は金がないからダメだ、と。ただ、親戚が『せっかく受かったのにもったいないよ、みんなで金出すから』と言ってくれて。父方の叔父夫婦がめんどうをみてくれることになったんです」
とはいえ、彼が高校在学中に叔父夫婦が突然離婚するという「びっくり」な事態も起こった。だが彼は無事に高校を卒業、有名私立大学に進学した。
「このときも叔父が親戚からかき集めてくれまして。親戚が多くてよかったと思いました。親戚のためにもがんばるぞと思ったんですが、二十歳過ぎればただの人になってしまって。ひとり暮らしを始め、アルバイトに明け暮れていましたね」
家庭教師先で「間男」に
そのころ彼は初めて、人妻と恋愛をしている。アルバイトで家庭教師をしていたのだが、教え子の母親に誘惑されたのだ。強烈な体験だった。当時、一哉さんが20歳で相手の女性は30代後半だった。
「私立中学を受けたいという11歳の男の子を教えていたんです。お母さんは確か38歳くらい。まったく意識していなかったんですが、ある日、お母さんが胸元の開いたTシャツを着ていて、かがむたびに谷間が見えるんですよ。そして『明日、時間があったら、ちょっと相談に乗ってもらえませんか』と帰り際にささやいてきた。思わず『はい』と。翌日の午後、指定された時間に行ったら、子どもは習い事でいない。『誰もいないの』と手を取られて。こっちも若いから我慢できませんでした」
彼女の夫とも、もちろん面識があった。学生のひとり暮らしは大変だろうから、いつでもご飯を食べに来なさいと言ってくれ、ときどき家族との外食にも呼んでくれた。そんな紳士を裏切っているという自覚は当時、一哉さんにはなかったという。
「家庭の雰囲気というのを生まれて初めて味わえたので、それはそれで楽しませてもらっていました。そしてただ、彼女の色香に迷いました。最初のうちは、いけないことをしているという罪悪感はあまりなかったんですよ。1年半ほど教えて息子さんが無事に私立中学に合格したときは、ホッとしましたね。その間に、こんなにいいご主人がいるのに浮気している妻の欲みたいなものをたっぷり見たからかなあ。でも彼女に対しても悪い印象はありません。『これからも来て』と言われたけど、息子さんが合格したのにそれ以上、危ない橋は渡れない。連絡を絶ちました。彼女のことは今も記憶に鮮明に残っています。素敵な女性だった。男としての性的な技術や気の使い方などをすべて教えてもらったような気がします」
だからといって「モテる男」にはなれなかったと一哉さんは言う。すぐに友だちにはなれるのに恋愛には発展しない。「おもしろい」「いい人」で終わってしまうのだそう。
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