焼津カツオ窃盗事件で新たに6人逮捕 関係者は「犯行に協力した漁協職員がいる」

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 昨年、静岡県焼津漁港で発覚した冷凍カツオの窃盗事件で、新たな逮捕者が出た。今回の逮捕者は、運送会社や水産会社、冷凍倉庫会社の社長や幹部ら6人で、焼津漁協職員は含まれなかった。だが、漁港内部に詳しい関係者は「少なくとも漁協職員の黙認などがない限り、犯行は成立しなかったはずだ」と証言する。

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とうとう摘発された「第二ルート」

 昨年10月、焼津市内の水産加工会社が水揚げしたカツオ4トン(約74万円相当)などを盗んだ疑いで逮捕されたのは、同市の水産加工会社「カネシンJKS」役員、運送会社「焼津港湾」社員、そして漁協職員Aだった。

 Aはセリ部門を担当していた職員で、1回あたり十数万円の賄賂を受け取り、後輩である計量係の職員と分け合っていた。事件が全国ニュースとなったのは、その後の調査などで、セリ部門を担当している職員が代々、過去数十年にわたって窃盗に関与してきたことが判明したからである。被害総額は数十億円にも及ぶとも言われた。

 あまりに大胆な組織的犯行に世間が衝撃を受けるなか、県警は「第二ルート」と呼ばれる捜査に着手していた。それが5月9日に摘発された今回の事件である。

「神奈川県の運送会社『ホクユウ(現ケイエスケイ)』元社長・北村祐志容疑者らには、宮城県の船会社が水揚げした冷凍カツオ、トラック1台分10トン(約160万円相当)を盗んだ疑いがかけられています。計量所を通らずに港外に出たトラックのカツオは、焼津市内の冷凍倉庫会社に一度運ばれてから、最終的には鹿児島県の卸売販売業者に安値で売却されたとみられている」(県警担当記者)

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