ロシア軍の戦車は弱すぎで話にならない…なぜウクライナ軍のミサイルにやられまくったのか

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あまりに弱い謎

 先に見たとおり、湾岸戦争でT-72は大敗したが、他国の軍隊が使っていたことから言い逃れが可能だった。

 ところが今回のウクライナ侵攻では、ロシア軍が使っていた戦車が大敗したのだ。もう「モンキーモデルです」の言い訳は不可能だ。

「それにしても、ウクライナ侵攻でロシア軍の戦車が対戦車ミサイルに対してあまりにも脆弱だったのは、不可解としか言いようがありません。なぜ不可解なのかという説明には、対戦車ミサイルがどうやって戦車を破壊するのか、解説する必要があります」(同・軍事ジャーナリスト)

 戦車は大きくて頑丈だ。これを砲撃で壊そうと思えば、相当に巨大な大砲が必要になる。

 ところが対戦車ミサイルは、兵士が携行できるほど小さくて軽い。それでも戦車を破壊することができるのは、直接の爆発で戦車を壊すわけではないからだ。

「ジャベリンなどの対戦車ミサイルは、弾頭が戦車の装甲に当たって爆発すると、弾頭内部の金属がメタルジェットと呼ばれる高温高圧高速な金属塊となり、戦車の装甲板を焼き切り、貫きます」(同・軍事ジャーナリスト)

 装甲板を貫いたメタルジェットは、戦車の車内を焼き尽くし、破壊する。当然、搭乗員は無事では済まない。

成形炸薬弾

 戦車を動かす兵士の戦闘能力を奪ってしまえば、軍事的な目的は達成したことになる。

「対戦車ミサイルの攻撃を受けた戦車は、内部は酷い有様でも、ある程度なら外観が保たれている場合も珍しくありません。ただ、超高温高圧のメタルジェットが入ってくるのですから、戦車の中にある弾薬庫が誘爆することはあります」(同・軍事ジャーナリスト)

 戦車が弾薬庫に積んでいる砲弾が誘爆すると、戦車の内部で大爆発が起きることになる。こうなると、例えば砲塔部分は跳ね上がってしまう。週刊新潮のグラビアページにも、弾薬庫が誘爆したと思われる戦車の写真が掲載されている。

「特にロシア軍の戦車は床下に弾薬庫があるので、対戦車ロケットの攻撃で誘爆しやすいのです。今回のウクライナ侵攻でも、その“弱点”が改めてクローズアップされています」(同・軍事ジャーナリスト)

 ジャベリンなどの対戦車ミサイルで使われている弾頭は「成形炸薬弾」と呼ばれている。

「ロシア軍の戦車も、この成形炸薬弾に対して防御策を講じていたはずなのです。ところが破壊されたロシア軍の戦車を見ると、一方的にやられてばかりです。これが不可解なのです」(同・軍事ジャーナリスト)

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