ロシア軍の戦車は弱すぎで話にならない…なぜウクライナ軍のミサイルにやられまくったのか

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「週刊新潮」4月7日号は、カラーグラビアで特集「意外と弱いロシア軍」を掲載した。ウクライナ軍の攻撃を受けたロシア軍の戦車T90−Aの写真が何枚も紹介されている。砲塔が完全に吹き飛ぶなど、完膚なきまでに破壊されたことが分かる。

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 欧米諸国から供与を受けた対戦車ミサイルやドローン兵器を活用し、ウクライナ軍がロシア軍を苦しめていることは、全世界のメディアが報道している。

 だが、ロシア軍の正確な被害については、諸説が入り乱れているのが実情だ。

 読売新聞オンラインは4月4日に配信した「兵力で劣るウクライナ軍、ドローンと携帯式ミサイル駆使し奇襲攻撃…露軍の主要都市攻略阻む」の記事に以下のような記述がある。

《英紙インデペンデント(電子版)は2日、露軍がウクライナ侵攻後に失った軍用車両が、戦車331台を含む2055台に上るとする研究グループの集計を報じた》

 また、在英国際ジャーナリストの木村正人氏は、YAHOO!ニュースに「『ロシア軍死者は9861人』と政権寄り露大衆紙が報じたワケ 追い詰められるプーチン」との記事を投稿。

 記事中ではウクライナ軍参謀本部が3月21日に発表した戦果が引用されている。それによると、ロシア軍の戦車498両を破壊したという。

「331台」だとしても、「498両」だとしても、驚くべき数であることは間違いない。そしてこの“敗北”が、ロシアの軍需産業に大きな影響を及ぼしそうなのだ。

武器輸出国ロシア

 ロシアは世界有数の武器輸出国だ。国際統計・国別統計専門サイト「グローバルノート(GLOBAL NOTE)」は、「世界の武器輸出額 国別ランキング・推移」を掲載している。

 2021年5月に更新日された2020年のランキングから、ベスト3をご紹介しよう。

【1位】アメリカ 93億7200万ドル(1兆1567億円)
【2位】ロシア 32億300万ドル(3984億円)
【3位】フランス 19億9500万ドル(2481億円)

 CNN(電子・日本語版)は2018年12月、「ロシアの軍事産業、世界2位の規模に 英国抜く」との記事を配信した。

《軍備管理研究などの団体「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」は11日までに、ロシアの軍事産業が英国を抜いて世界2位の規模に拡大したと明らかにした》

《SIPRIが算出した指数によると、2017年の武器売上高の総額に占めるロシア企業の割合は9・5%と、米国の57%に次ぐ2位だった。前回2位の英国は9・0%で3位に後退した》

 担当記者が言う。

「1991年にソ連が崩壊すると、ロシア経済も大きなダメージを受けました。それが2000年代になると、原油や天然ガスといった“資源大国”として復活を果たします。その際、実は軍需産業も重要な“輸出産業”として外貨を稼いできました。陸軍が強いというイメージがあったため、特にロシア製の戦車を多くの国が購入したのです」

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