腸活に最適な「米のとぎ汁漬け」とは? 乳酸菌が免疫力アップに貢献

ドクター新潮 健康 食事

  • ブックマーク

Advertisement

「マイ乳酸菌」が活発に

 人間の腸には、約200種100兆個もの腸内細菌がいる。これらは乳児の頃から腸にすみついている「マイ乳酸菌」で、仲間の菌が入ってくると働きを活性化させ、数を増やす性質がある。「米のとぎ汁漬け」による乳酸菌を摂取していると、「マイ乳酸菌」の動きが活発になり、腸内環境が整い、免疫細胞の働きが良くなってゆく。

 腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分類されている。「善玉菌」が多いほど良いというものではなく、この割合が「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」に整っているときが、腸内環境が良好に保たれ、免疫力も強くなると考えられている。

 最大勢力である「日和見菌」は、免疫力が高いときは「善玉菌」の味方をするが、免疫力が落ちると一斉に「悪玉菌」の方に寝返る。「日和見菌」とはうまく名付けたものだ。

 免疫力を高めるためには、この腸内細菌のバランスを整えることが大事だが、反対に、免疫力を高めることで、腸内バランスを整えることもできる。

食物繊維も摂取できる

 この関係を良好に保つには、腸内細菌の多様性が重要なポイントとなる。さまざまな性質の細菌が腸にすみ、マイ乳酸菌が元気に働くことで、免疫力も腸内バランスも相乗効果で良くなっていく。

 多様性を高める最大の方法は、食物繊維をしっかり摂ることだ。野菜や根菜に豊富に含まれる食物繊維は、あらゆる細菌の良質な餌になる。

 悪玉菌も食物繊維を餌にはするが、この餌を食べているうちは、異常繁殖をせず、人体に悪影響を及ぼす物質を作り出すこともない。

 植物性乳酸菌と食物繊維が同時に摂取できるのが「米のとぎ汁漬け」の優れた点だ。原理は「糠漬け」や韓国の「水キムチ」と同様の乳酸発酵食品だが、手軽さと多彩さ、何よりさまざまな料理の素材として応用できる点は、ほかの漬物にはないメリットだろう。

次ページ:おすすめの野菜は

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[3/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。