貸金業法違反の「遠山清彦」元議員 公明党では超異色の存在 岸田首相の面子を潰した過去も

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祖父も国会議員

 20年7月には次期衆院選に神奈川6区から出馬すると公明党が発表。しかし、21年1月に週刊文春が、コロナ禍で緊急事態宣言が発令されていたにもかかわらず、銀座の高級クラブで知人と会っていたと報じた。

 遠山容疑者は事実関係を認め、同月、公明党幹事長代理を辞任、2月には議員辞職し、次期衆議院選には出馬しない意向を示していた。

 公明党の関係者が言う。

「遠山容疑者は公言していないのですが、“政治家・遠山清彦”を考える際、鹿児島県の沖永良部島という“ルーツ”が重要な意味を持ちます。母方の曽祖父が沖永良部島で暮らしていたのです」

 遠山容疑者はイギリスの大学院を卒業していることもあり、一般的には外交に詳しい政治家と思われてきた。

「遠山容疑者が離島振興に力を入れていたことは、あまり知られていません。公明党の離島振興対策本部長を務め、100を超える離島を訪問。かなりの情熱を注いでいたようで、関係者の間では『離島振興に最も熱心な国会議員』と評判でした。遠山容疑者は『離島の多い九州ブロックの比例区から出馬したのが縁』などとインタビューに答えていますが、曽祖父の存在も大きかったのではないでしょうか」(同・関係者)

財務官僚の“反乱”

 2019年、当時の安倍内閣で財務副大臣に任命された。“公明党のプリンス”らしく、この時、党にとって重要な“任務”で成果をあげた。

「昨年4月、当時の岸田文雄・自民党政調会長(64)が、新型コロナウイルス対策の緊急経済対策として『生活困窮世帯を対象に、1世帯30万円の給付を行う』と菅義偉首相(72)に提案、補正予算案も閣議決定されました。ところが公明党が『一律10万円』で巻き返しを図り、最後に岸田案をひっくり返してしまいます。岸田さんは公明党にメンツを潰されたわけですが、その際に党の“司令塔”として動いていたのが遠山容疑者でした」(同・関係者)

 この時、岸田政調会長の「所得制限を設けるべき」という案は財務省寄りだと報道された。ならば遠山容疑者は財務省に批判的な考えの持ち主かと言えば、そうではなかったという。

「例えば遠山容疑者は、消費税増税論者でした。そのため副大臣時代、財務官僚を集めて消費税増税に向けた勉強会を開こうとしたのです。しかし官僚からすると、変に遠山容疑者との関係を構築してしまい、当時の菅首相や麻生太郎財務相(81)、依然として内閣に睨みをきかせていた安倍晋三元首相(76)に睨まれでもしたら大変なことになります。結局、勉強会には誰も参加せず、遠山容疑者は愚痴をこぼしていました」(前出の記者)

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