動物園でイノシシを丸ごと餌にする取り組みが 肉食獣のストレス軽減に有効

国内 社会

2021年12月28日

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〈シカ・イノシシ肉 愛称選定中止〉

 12月6日付読売新聞夕刊社会面の見出し、何のことかと思ったら、農水省がシカとイノシシのジビエ(野生獣肉食)利用を拡大しようと愛称を昨年募集したものの、選定を中止したそうな。同省に経緯を聞くと、

「コロナ禍で落ち込んだジビエの需要回復のため愛称を募りました。しかし、応募を取りまとめた後で飲食店や流通業者の方々に伺うと“ジビエの名称が浸透している”等の意見があり、決定しかねていたのです。やがて消費も回復したため、作業継続を見合わせました」(鳥獣対策・農村環境課)

 募集にあたって作られたサンプルは「天然のプロテイン」や「森のジューシーミート」で、まずはセンスが泣けてくる。同課は害獣駆除で捕えたシカやイノシシを捨てずにジビエで利用するよう、意味ある呼びかけをしているが、ならば以下の取り組みはどうだろう。

 動物園の中にはイノシシなど屠殺動物の肉を皮も骨もついたまま餌として与えるところがある。これを「屠体給餌(とたいきゅうじ)」といい、東京都の羽村市動物公園は先月、シマハイエナにこれを実施した。

「最初は昨年2月、サーバルキャットに、次いで8月、アンデスコンドルに行いました。ハイエナで3例目。普段は見られない採食行動を観察でき、これを目当てに来園されるお客さまもいますね」(園担当者)

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