地上最強の生物が決定! 武井壮も敵わない最強生物登場

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 地上最強の生物は何か?
 日本各地の深夜のファミレスで何度も交わされた「ボンクラ男子」どもには必ず心当たりのある話題。そして絶対に正解の出ることのない、浪漫を秘めた永遠の命題だろう。

 「百獣の王ライオン? ゾウの巨体には勝てまい」「カバの凶暴さをお前は知らないのだ」「グリズリーに出会って逃げられるとでも?」「武井壮がグリズリーの倒し方話してたよ」議論が尽きることはない。

 そんな白熱する議論のなか、ジャンプ世代の「ボンクラ男子」達が聞き覚えのある衝撃的なセリフとともにその生物は登場した。

■「わたしの放射線耐性は57万レントゲンです」

「わたしの放射線耐性は57万レントゲンです」
 人の致死量のおよそ1000倍の放射線に耐える、というその生物。マイナス273度の低温、プラス100度の高温、水深1万メートルの75倍に相当する圧力、真空など、さまざまな種類の極限的ストレスに耐えられるという。

 その生物の名は「クマムシ」。

 「地上最強生物クマムシに敬礼!」そう主張するのはクマムシ研究者の堀川大樹氏。堀川氏は過去には米国NASAで、現在はパリ第五大学・フランス国立医学研究機構でクマムシ研究を続けるジャンプ世代の研究者である。

■クマムシとは何か

 クマムシは、体長が0.1~1.0ミリ程度の四対の肢をもつ小さな生き物である。ムシはムシだが、昆虫ではない。緩歩動物門というカテゴリーに属する。水の中を熊のようにのしのしと歩くことから英語名Waterbear「クマムシ」というわけだ。
 水生生物なのでは? “地上”最強じゃないよね? なんて声が聞こえてきそうだが、堀川氏は近著『クマムシ博士の「最強生物」学講座』のなかでクマムシの生態についてこう語る。

「クマムシは水がなくても生き延びることができる。周囲から水がなくなると、体の中から水が抜け、乾燥してカラカラになってしまう。でも大丈夫。クマムシは死なない。かれらは乾燥して乾眠とよばれる仮死状態に入るのだ。」

 その状態で再び水がえられる時を待ち、吸水すると復活するという。この乾眠状態のクマムシがとてつもない耐久性をもつというのだ。さらに前述の各種の極限的ストレスに加え、宇宙空間に10日間さらされた場合でも復活するという。そんな状態に耐えられる生物が他にいるだろうか? クマムシこそ地上最強の生物である。恐るべしクマムシ。

■人間カップラーメン

 堀川氏は語る「クマムシが乾燥するメカニズムを解き明かし、それを人類に応用することで、人間カップラーメンすら作れるかもしれない。」

「新たな居住地を求めて何百光年も離れた惑星に、人間カップラーメン状態で旅をする人類。吸水して復活した私たちの子孫が次々と新天地に降り立ってゆく――。なんとわくわくする光景であろうか。」

 氏の想像は尽きない。
 地上最強生物クマムシの無限の可能性、そこには常識にとらわれた我々の想像を絶する魅力が眠っているようだった。堀川氏の研究にこれからも注目である。

デイリー新潮編集部

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