永田町で話題、500ページ超の「自民党幹事長列伝」のナゾ 採算度外視の本が作られた背景は

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

誰が作ったのか

 非売品の豪華特装本という採算度外視の出版事業は、一体、誰の手によるものなのか。

「実はこの事業を主導したのは、言論誌『月刊日本』を刊行するK&Kプレスの南丘喜八郎氏なんです」

 そう明かすのは、さる事情通である。

「政界人脈に通じた南丘氏が旧知の二階氏に話を持ち掛け、自民党の写真部や広報部などの協力も得て作られたそう」(同)

 当の南丘氏に聞くと、

「戦後政治を振り返ってみれば、政権の座についているのはほとんどが自民党。これまで総理や総裁に光を当てた書籍はありましたが、彼らを支え、党をまとめてきた幹事長を総覧するような通史はあまりなかった。そこで政治ジャーナリストや現役の新聞記者にも声をかけ、この本の制作に取り掛かったのです」

 制作に2年を要した大著は存外、好評だといい、

「何人かの“元幹事長”からは、自分のページだけ切り離した別冊を作ってもらいたいとの要望もあり、個別に制作してお渡ししました。噂を聞きつけて連絡してきてくれた方には販売もしていますが“売れないだろう”と思い、非売品にしたんです」(同)

“幻の列伝”なのである。

週刊新潮 2021年12月2日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。