90歳でも「異性にモヤモヤッ」 周囲が明かす瀬戸内寂聴さんの逸話…生命力の秘訣とは

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家庭があった小田仁二郎、井上光晴と交際

 しかし、その恋人とは別れる。続けて、

〈いわゆる不倫も成行で逃れられなかった例も一つや二つではないが、それらは小説に消化してしまって、図々しく生きてきた〉

 と記すように、純文学作家で家庭があった小田仁二郎と恋に落ち、10年近く交際。その後、66年に妻子ある井上光晴氏と恋愛関係に陥るのである。

 その間、本格的に作家をめざし、57年に「女子大生・曲愛玲(チュイアイリン)」で新潮社同人雑誌賞を受賞するが、書くことは〈雷〉の〈消化〉を兼ねていたということか。

 2016年、「婦人公論」6月14日号に掲載されたSTAP細胞の小保方晴子氏との対談では、こう話していた。1958年のこと、

〈「新潮」に発表した「花芯」を叩かれて。花芯というのは中国語で子宮の意。なのに、「子宮」という文字が多すぎるとか、“エロ作家”とか“子宮作家”とか、実にくだらないことを言われた。/(中略)悔しくて、「そんなことを書く批評家はインポテンツで、女房は不感症だろう」とほかのところに書いたら、さらに何倍もの怒りを買い、その後5年間干されて文芸誌に書くことができなかった〉

 その後、井上氏との関係は突然、終わりを告げる。73年、51歳のときに、出家して瀬戸内晴美から寂聴になったからである。

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