太る元凶「ニセの食欲」を抑え込む食事術とは 別腹が生まれるメカニズム、12時間以内に3食が理想

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別腹のメカニズム

 これだけならシンプルな仕組みなのだが、もう一つ、食欲には脳の「報酬系」が深く関わる。

「視床下部よりもっと深い部分にある『中脳』から、快楽ホルモンといわれる『ドーパミン』が分泌されると、脳の報酬系が発動します。例えば甘いものを食べるとドーパミンが分泌されて、心地よい快楽を得ます」(同)

 この快楽を体感すると、再びそれを味わいたくて同じものを食べたくなる。実際に食べなくても、「これを食べたらおいしそう」と“予測”するだけでドーパミンが分泌されるという。

 例えば「甘いものは別腹」と、満腹なのに食後のデザートを食べてしまうことがあるだろう。これはもちろん、実際に別腹があるわけではなく、管理栄養士の望月理恵子氏によると、「新たに食べ物を受け入れるスペースが胃にできる」のだという。

「『食べたい!』と感じると、ドーパミンや、麻薬に似た物質βエンドルフィンが分泌され、さらに胃の筋肉がゆるむとともに、食べ物を胃から小腸に送り出す動きが活発になります」

 食べる量は胃の大きさではなく、“脳がどれだけ満腹を感じているか”で決まるが、こういった外部からの刺激によって脳の正常な働きが妨げられる。

「ドーパミンの分泌は、達成感の心地よさを求めて、仕事や勉強のやる気を高めるというポジティブな側面もあります。一方で、だんだんその感覚に慣れると、同じ刺激では満足できなくなり、もっと強い刺激が欲しくなるのが負の側面です。最初は少量の甘いもので満足していたのが、そのうちにその量や頻度に満足できなくなり、まだ足りない、もっと食べたいと、食欲を止めづらくなってしまうのです」(瀧教授)

 アルコールやギャンブル、ゲームと同様に、食べ物も依存対象になるという。

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