太る元凶「ニセの食欲」を抑え込む食事術とは 別腹が生まれるメカニズム、12時間以内に3食が理想

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太るのは糖質の取りすぎ

 とはいっても、どんな食べ物でも依存の対象になるわけではない。人が“もっと食べたい”と思うものは「糖質を含むもの」である。

 ベストセラー『医者が教える食事術 最強の教科書』を執筆し、数多くの糖尿病患者を診てきた牧田善二医師(AGE牧田クリニック院長)は「人類の脳は炭水化物を摂取するようにプログラミングされている」と指摘する。炭水化物とは主に「糖質と食物繊維」から構成され、ごはん、パン、麺類といった主食を指す。

「命をつなぐためにはエネルギーが必要で、そのエネルギー源となるのが炭水化物(糖質)。しかし、このプログラムが完成したのは、旧石器時代のことです。当時は農耕の技術はなく、狩猟や採集で得る食べ物には炭水化物はあまり含まれていなかった。ところが現代社会ではいくらでも取れてしまうのが問題です」

 人の空腹時血糖値はおよそ90ミリグラム/デシリットル。これは100ミリリットルの血液中に90ミリグラムの糖分が溶けている、と理解するといい。食事をすると、これが140くらいまで上がる。このとき膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血中の糖を肝臓や筋肉に蓄える。血中の糖が取り込まれると、血糖値が下がっていく。

「ですからしばらく炭水化物を取らないでいると低血糖になり、空腹感やイライラ、体のだるさ、眠気が起きる。この時、脳の指令で炭水化物を食べたくなります。食べれば脳の報酬系が働き、ドーパミンが出て、再び『あぁ、おいしい。幸せ』となる。主食だけでなく、菓子類や清涼飲料水も糖質の塊。これらをやめられず、肥満であるなら、脳が糖質依存に陥っていると思ったほうがいいでしょう。太る原因は脂肪やタンパク質でなく、糖質の取りすぎなのです」(同)

 インスリンが血中の糖を取り込むと述べたが、肝臓や筋肉への貯蔵には限界がある。あまった糖が脂肪細胞に取り込まれるから肥満につながるのだ。牧田医師は「BMIが25を超えていれば、医学的には立派な肥満症。糖質依存であることが大半」と断言する。

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