160センチ、55キロの私が体型コンプレックスから解放されたヒケツ

食・暮らし2017年2月22日掲載

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 先日、「オレ、スレンダーな女の子が好みなんだよね」と言われ、彼氏にふられたA子さんは、あまりのショックと悔しさから、ダイエットにはしりました。

 しかし、過激な食事制限のダイエットで一時的には減っても、リバウンドしてまた落ち込むというループを繰り返しているそうです。

 とはいえ、そんな彼女の体重を聞くと160センチで55キロ。BMI値を考えても決して太ってはいません。

 世界的に見れば、やせすぎのモデルを広告に起用しないなど、過激なダイエットに対する批判が高まっている傾向にあるにもかかわらず、日本の若い女性のやせることに対する執着はある種病的なほど。SNSの隆盛も相まって、自分や周囲の厳しい評価に縛られすぎているのかもしれません。

 同じような経験をしながらも、あることがきっかけでありのままの自分を認め、輝いている女性がいます。

 佐藤可奈子さんが体型からのコンプレックスから解放されたきっかけは、「移住」。

さつまいも畑で作業をする佐藤さん。移住してから自然のちょっとした変化に敏感になり、毎日飽きることがないという。書籍『移住女子』より (c)東海林渉(TakizawaPhotoWorks.)

 移住によって新しい未来を手にした女性達の素顔に迫った書籍『移住女子』の中で、佐藤さんはこう語っています。

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 随分知り合いも増えた頃、いつものように池谷集落のみんなと夕食を囲み、ついつい食べ過ぎてしまいました。満腹になって寝転がり、思わず「あぁ、また東京に帰ったらダイエットを頑張らなきゃ」とつぶやくと、「なぜダイエットをするの? 今のままの可奈子がいいのに」と集落のみんなが不思議そうに言ったのです。

 実はもともと体型にすごくコンプレックスを持っていた私。小さな頃から食べることが大好きで、運動も好き。気が付けばがっしりとした体格に成長していました。炭水化物をやめたり、キャベツだけ食べてみたり、痩せると噂のサプリメントを試してみたり。いろいろなダイエットに挑戦しましたが、全然変わりません。

 追い打ちをかけるように、家族や友人から「痩せたらもっとかわいいのに」「ちょっと太った?」などと悪気なく言われ、挙句の果てに好きな人から「もう少し痩せたら付き合う」なんて言われて、どうしたらいいのか分からなくなっていました。

 この体型がいけないんだ。このままじゃ誰にも認めてもらえないから、早く変わらなくちゃいけない。私は「ここ」にいるのに、誰も「今の私」を見てくれない。現実と理想のギャップに苦しみ、食べるのが辛くなりました。大学に入って上京してからも、自分に自信が持てずにいたのです。集落のみんなの言葉が心に沁みました。

 その後も、「太い指は働いている手なんだから、いいじゃない」「丸々して可愛らしいから、可奈子なんだ」「おいしそうに食べている姿が一番お前さんらしい」と、今の私を肯定してくれるような言葉をたくさんもらって……。

 私は、もしかしたら私のままでもいいのかもしれない。氷が溶けていくように、ゆっくりと私の中の価値観も変わっていくのを感じていました。

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 その後、自分の価値観を変えてくれた集落の方々のようになりたいと、自分でも農業に取り組むことに。自らの農園「かなやんファーム」で育てた米やさつまいもを商品化したり、若手農家グループのプロデュースや、フリーペーパーの運営など、生き生きと暮らす佐藤さん。

「コンプレックスを感じていた頃が嘘のよう。今でも痩せているとは言いませんが、見た目よりも、まっすぐに自分という人間を育てていく方がずっと大切だと分かった」と述べています。

 ダイエットよりもまず先に、「私は私のままでいい」と気付くことが、幸せになる一番の秘訣かもしれません。

デイリー新潮編集部