読書好きが求める“新しい形の出会い”―― 本のマッチングサービスが若者に刺さる理由

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本屋でデート

“本を通じた出会い”から、実際のデートに発展した人もいる。

 神奈川県在住の30代男性は、

「本の話をするとなると、難しい感想を言ったり分析をしたりしないといけないのかと身構えていたんですが、いざやってみるとお相手もライトな話をしてくれたので楽しかったです。例えば『本に出てきたあの料理、美味しそうでしたよね』、『そういえば、今日何を食べましたか』とか、そんな話をします」

 その後、実際に会った時はどうだったのか。

「ビデオ通話の後に連絡先を交換し、一緒に本屋さんに出かけました。話が合うし、一緒にいてすごく楽しかったんですけど、何度か会ってそれきりになっています。というのも、お相手は恋愛目的で僕と会っていたみたいなんです。もちろん僕は独身ですが、がつがつ恋愛したいわけじゃない。だから普通のマッチングアプリみたいに恋愛を前面に押し出したものは嫌なんですよね。今回の女性とも、僕は普通に仲良くするつもりだったんですけど、残念ながら向こうは友達のままじゃだめだったみたいです」

 Chapters書店を運営する株式会社MISSION ROMANTIC代表の森本萌乃さんは、

「Chapters書店の利用者はのべ1000人を突破し、毎月100人くらいの方にアペロを楽しんで頂いています。月に1冊くらいしか本を読まないという利用者が7割にものぼる上に、タイトルや著者を明かさずに選ぶシステムなので、多くの方に満足して頂けるように選書や説明文にこだわっています。今はマッチングアプリなど様々な出会い方がある中で、本を通じたさりげない出会いを心地よく思う方に支持して頂いています」

デイリー新潮取材班

2021年9月18日掲載

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