妊娠中の妻の不倫を疑い、自分も不倫… 取っ組み合い夫婦喧嘩の後も続く止められない関係

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 独身時代からの不倫を、結婚後も妻が続けていたら、夫はどう対処したらいいのだろう。衝撃が強すぎて真偽のほどを質すことができず、ついふらふらと自分も元カノと不倫してしまったという山口和紀さん(42歳・仮名=以下同)は、苦しい胸のうちを明かしてくれた。

 和紀さんは35歳のとき、友人からの紹介で同い年の紘子さんと出会い、半年足らずで結婚を決めた。

「それまで結婚にあまり興味を持てなかったんですが、仲のよかった友人たちが次々結婚、誰も遊んでくれなくなったんです(笑)。彼らの遊びに行くと、みんな楽しそうだし、家庭というのもいいものだなと感じたんです」

 結婚には息苦しいものを覚えていたと彼は言う。お父さんは一家の大黒柱で、それを支えるのがお母さん、子どもたちは親の言うことを聞いて元気でいい子。そんなステレオタイプの家庭で育った和紀さんだが、決して幸せな子ども時代ではなかった。

「父がいつも仏頂面で機嫌が悪くて、母はおどおどしながら暮らしていた。そういうのが家庭だと思っていたんです。でも僕の友人たちの家庭はみな共働き。お互いオープンに好きなことを言い合って暮らしている。僕自身、男女の役割にとらわれているところがあったので、そういう考え方は捨てて、ともに楽しめる人と一緒になりたいと思っていました」

 友人を交えて紘子さんと会い、次にふたりでデートすることになったとき、どこに行きたいか尋ねたら、彼女は「寄席」と答えたという。それが和紀さんのツボにはまった。彼も寄席が大好きで、よくひとりで行っていたのだ。そこからふたりは一気に親しくなった。

「半年ほどたったころ、ちょうど彼女のアパートの更新時期になったので、じゃあ一緒に住もう、と。30代に入ったころ2LDKのマンションを買ったので、まずはうちに越してくればいいよ、ということになって」

 生活を初めてすぐ、婚姻届も出した。ふたりとも首都圏内に実家があるので、親に東京に出てきてもらって食事会をした。結婚にまつわるイベントはそれだけだった。

「ふたりとも型にはまるのが嫌なタイプだったので、それでじゅうぶん。あとは生活を調えて、時間が合えば寄席に行ったりドライブしたり。新婚時代は楽しかったですよ。結婚して1年たらずで紘子の妊娠がわかり、僕は涙が出るほどうれしかった。家庭とか子どもとかは無縁だと勝手に思い込んでいるところがあったんです。紘子との楽しい生活の中で、子どもまで授かるなんて。それぞれの友人たちもお祝いに来てくれたりして、にぎやかでしたね」

 幸せの絶頂だった。その後、妻はつわりも軽く、仕事を続けた。ふたりでやってくる赤ちゃんに思いを寄せていたという。

妻の帰宅が遅くなった

 何かがおかしい――。和紀さんがそう思ったのは、妻が安定期に入ったころだ。

「今日はちょっと実家に寄ってくるとか、残業だとか、今日は友だちに会うとか……そんな理由で帰宅が遅くなったんです。以前なら、平日もそんな遅くはならなかったんです。身重なんだから心配ですよ。それなのに迎えに行くと言うと嫌がる。とにかく大事な時期だから気をつけてと言うしかなかった」

 そんなとき、たまたま妻が独身時代に住んでいたアパートの近くを仕事で通ることがあった。数回しか行ったことがなかったが、あのアパートはどうなっているかふと気になり、行ってみることにした。そして見なくていいものを見てしまったのだ。

「妻が住んでいたアパートのほうへ行くと、反対側から、妻と男が歩いてくるんです。とっさに姿を隠しました。ふたりはアパートに入って行った。男が妻の腰に手を回しているのが見えました」

 どういうことか彼には理解できなかった。しばらく呆然としたあと、かつて彼女が住んでいた部屋の前まで行ってみた。4階建ての最上階、角部屋だったはずだ。表札もないが、人の気配はあったような気がする……と彼は言う。

「外に出て、妻に電話をしてみたんです。電源は切ってありました。部屋をしばらく見上げていましたが、日は暮れてくるし、住宅街だし不審者に思われても困る。会社に戻らなければいけなかったので、その場を後にしました」

 だが妻が男と一緒に、以前住んでいたアパートに入っていったのは確かだし、少なくとも数十分は出てこなかったのも確か。これをどう考えたらいいのかと和紀さんは悩んだ。どう考えても妻は男と密会している。そうとしか考えられなかった。

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