事件現場清掃人は見た お風呂で「お婆ちゃん」はなぜ煮込まれてしまったか
お婆ちゃん、どうもありがとう
数時間かけてきれいに清掃し、においも消した。
「元通りになった浴室にご遺族を呼びました。彼女たちは風呂釜を囲んで泣いていました。そして口々に、お婆さんにお礼を言っていました」
《私たち、お婆ちゃんとこのお風呂に入ったのです》
《子どもの頃は、このお風呂で遊びました。思い出のお風呂なのです》
《お婆ちゃん、どうもありがとう》
「お婆さんが亡くなった日にも姪御さんは遊びに来ていて、『また来るからね』と言って別れたそうです」
それにしても、何ともショッキングな亡くなり方だが、
「ご家族に見守られて息を引き取るのが、理想的な亡くなり方かもしれません。でも、思い出のお風呂で、親族5人が涙を流してお礼を亡くなったお婆さんに言っている光景を見て、決して不幸な別れ方ではないと思いました。お婆さんがみんなから愛されていたことが、本当によくわかりました。それが私にとっての救いでした」
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