満天の星空みたいに、壁にゴキブリがびっしりと…〈清掃人は見た! あなたの近所の隠れた「汚部屋」(1)〉

社会週刊新潮 2016年5月5・12日ゴールデンウイーク特大号掲載

 過剰に「清潔」に気を遣う現代社会の陰で、その対極にある「汚部屋(おべや)」がなぜか増殖中という。閉ざされたドアの向こうには、何が“堆積”し、誰が“棲息”しているのか。ノンフィクション・ライターの福田ますみさんが、清掃業者の証言から描く、その隠された実態。

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 世は春爛漫の候だが、あえて季節外れの句をひとつ。

 秋深き隣は何をする人ぞ

 有名な芭蕉の俳句である。

 晩年の芭蕉が「孤独」をあらわした傑作とされるが、寒くなって障子や雨戸が閉められ、隣人の動静がわからなくなったという「季節感」も、句に趣を添えているのであろう。

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