指導者で巨人復帰の悲願達成、「桑田真澄」の人間力を磨いた30億円借金問題

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借金を1億に圧縮!?

 そんな折、週刊現代は、バブルが崩壊したことで、不動産の評価額が下落したと指摘。《10億円を優に超えるローンを抱え、ファミリーの不動産まで追加担保に取られてまさにノーアウト満塁》と報じたのだ。

 ちなみに本文では、実際の不動産取引は義兄が担当していたと記されている。だが、世論の受け止めは違った。桑田の“敵役”イメージが増幅する結果となったのだ。

 借金の額は《14億円とも言われる》(FRIDAY:1991年1月25日号)という記述も飛びだして、報道は一気に加熱した。

 FOCUS(新潮社:休刊中)は3月1日号で「借金13億『桑田』不動産投資の物件一覧――破産寸前、6億円の豪邸など5件売却」との記事を掲載した。

 これによると、球団側はキャンプ地のグアムで、《「借金地獄」の実態と「更生計画」を電撃発表した》という。

 5件の不動産を売却することで10億円を確保し、借金を3億円に圧縮。更に義兄の家も売却し、2億円を確保。残りの借金は1億円になるという計画だった。

週刊ポストの反論

 巨人の幹部は週刊文春の取材に応じた。91年3月28日号に記事「あの桑田をCMに起用したサロンパス(久光製薬)の“効能” 借金3億円でクビが回らない」が掲載され、一問一答が紹介された。それによると、物件の売却で借金は《2億数千万》まで圧縮できたと語っている。

 だが、こうした巨人の説明に、週刊ポストが異議を唱えた。92年10月23日号に「これじゃ投げるどころじゃなかった 巨人軍A級戦犯・桑田の借金は今でも14億円!」の記事を掲載したのだ。

 桑田が持っていた不動産を売却しても、14億円の借金が残ったという内容だった。一方、巨人と読売新聞はポストの報道に沈黙を貫いた。すると、思わぬ人物の発言から、報道の“真実性”が証明されたのだ。

 週刊文春は97年10月16日号に「渡辺 恒雄 読売社長 暴言するは我にあり 佐藤問題から桑田借金まで」を掲載した。

 現在は「株式会社読売新聞グループ本社代表取締役主筆」を務める渡辺 恒雄(94)の発言を紹介する記事だ(註:現在は渡邉恒雄の表記が多数)

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