日韓GSOMIA再延長…戦犯と名指しする三菱にメンテを頼まざるを得ない皮肉

国際 韓国・北朝鮮 2020年8月27日掲載

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「戦犯企業の三菱重工業が韓国のF-35を整備することは許さない」と韓国マスコミ

 韓国空軍は、すでにF-35の引き渡しを受け運用をはじめているが、メンテナンスが新たな課題として浮上した。

 日常点検は自国でできるが、一定の飛行時間が経過した後の大規模なメンテナンスやエンジンのオーバーホールは国際整備拠点「MRO&U」に持ち込まなければならない。

 韓国の空軍基地に最も近い国際整備拠点は、愛知県にある三菱重工業のF-35最終組み立て施設「FACO」にある。

 三菱を戦犯企業だとして難色を示す韓国に、ロッキード・マーティン社は、日本や豪州のように自国向けの整備権限を個別に取得すればいいと提案するが、課題が2つある。

 米国やロッキード・マーティン社が正式に許可するかどうかとコストである。

 アジア太平洋では米国と日本、韓国、豪州がF-35を運用している。豪州は自国内の整備拠点を利用し、自衛隊と在日米軍、在韓米軍は三菱に委託する。

 仮に米国やロッキード・マーティン社が整備権限を認めても、対象が韓国軍に限られる整備工場は採算が取れない。

 韓国が三菱に委託しない場合、豪州か米国に持ち込むしかない。韓国の空軍基地から豪州の整備拠点があるウィリアムズタウンは片道約8500km、往復約1万7000kmの距離がある。メンテナンスが必要な機体を一気に飛行させるのは無理な話で、米軍基地等を経由しながら最低3日、往復6日が移動だけで必要となる。韓国の空軍基地から米国のフォートワースは、片道1万kmを超えている。

 韓国マスコミは「戦犯企業の三菱重工業が韓国のF-35を整備することは許さない」と豪語する。文在寅政権も同じだろう。

 仮に北朝鮮との有事が発生して韓国空軍のF-35が損傷したとき、豪州や米国で緊急メンテナンスを受けるのは現実的ではない。

 マスコミや政権に逆らって三菱に持ち込むか見捨てるか、選択肢は2つしかない。

佐々木和義(ささき・かずよし)
広告プランナー兼ライター。商業写真・映像制作会社を経て広告会社に転職し、プランナー兼コピーライターとなる。韓国に進出する食品会社の立上げを請け負い、2009年に渡韓。日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える必要性を感じ、2012年、日系専門広告制作会社を設立し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

週刊新潮WEB取材班編集

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