ALS嘱託殺人の山本容疑者、空白の6カ月にフィリピン「セブ島」でやっていたコト

国内 社会 2020年8月13日掲載

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「イギリスの名門校を卒業」と吹聴

「安楽死」か、それとも「殺人」か――。

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の女性を殺害したとして嘱託殺人容疑で逮捕された山本直樹容疑者(43)。犯行の「見返り」に、亡くなった女性から約130万円を受け取ったとみられている。医師免許は不正に取得した疑いが浮上し、「海外の大学を卒業した」とする学歴には胡散臭さが漂う。そうした彼の“本領”は「南の楽園」でも発揮されていた。事件発生前年にはフィリピンでクリニックを開業し、現地の在留邦人には「イギリスの名門校を卒業した」と吹聴。クリニックはわずか半年で閉鎖されたが、その背景には現地の医療関係者とのトラブルがあったという。

 報道によると、山本容疑者は東京医科歯科大学を中退。その後、アジアの学校に留学していたというが、フィリピンでは周囲に「イギリスのインペリアル・カレッジに編入して卒業した」などと説明していた。インペリアル・カレッジ・ロンドンは、ノーベル賞受賞者も多数輩出する、イギリス屈指の理系の名門校だ。

 山本容疑者は2010年に医師の国家試験を受験し、その際、厚労省には「海外の大学の医学部を卒業した」と申請していた。その大学がインペリアル・カレッジか否かは不明だが、京都府警が大学側に照会したところ、卒業を確認できなかったという。

 専門は泌尿器科で、16年には都内にED(勃起不全)治療専門のクリニックを開設し、院長を務めていた。同時期にはカンボジアの首都プノンペンでも医療活動を行っており、17年6月、都内で行われたロータリークラブの会合で、こうスピーチしていた。

「カンボジアの問題点は、ポル・ポト政権によって医者を含む知識層が虐殺され、その後の人材育成が遅れていることです。しかし医療制度や教育は急速に整備され、国として回復する過程にあります。私は日本クオリティーの医療を直接現地で届けることに引き続き専念していくつもりです」

 程なくして山本容疑者は、“日本クオリティー”を東南アジアに普及させるため、フィリピンとも関わりを持ち始める。

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