コロナ禍に不要不急の美容整形 28歳女性が33万円で“お直し”した部位は

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大学時代、「小陰唇縮小手術」の存在を知る

 大学生になると、整形についてネットで調べるようになった。そこで見つけたのが「婦人科形成」の中の「小陰唇縮小手術」だった。まさか小陰唇を整形する手段があることなど、そのときまで思ってもみなかった。

 そうはいっても、婦人科形成にも事実上のダウンタイムがある。前述の通り、通常ダウンタイムは腫れやむくみ、アザなど見た目の問題を指すが、小陰唇縮小の施術後は激しい痛みに襲われ移動が困難になるため、広義のダウンタイムがあると考えていい。

 このコロナ禍で美容整形がブームになっていると聞き、渋田さんにも「整形熱」が高まった。ちょうど転職の合間の有給休暇消化中で、外出自粛により外に遊びに行く予定がなくなった。そこで、緊急事態宣言中の5月9日、「今しかない」とばかりに都内の美容クリニックにカウンセリングに向かった。

「カウンセリングを経て、手術日は5月17日に決まりました。何の根拠もありませんでしたが、その頃にはコロナも収まっているだろうと思っていたので、感染リスクはあまり気にしていませんでした。それに、美容クリニックって、プライバシーを保つために待合室では離れて座るから『密』になりにくいんです。オペ中、医師はマスクや手袋を付けているし。クリニックへの行き帰りの電車も人がほとんどいなかったので、感染リスクはスーパーに買い物に行くのと同じくらいだと思っていました」

 ちなみに渋田さんがカウンセリングを受けた5月9日、東京都の新型コロナ新規感染者は36人。連日のように100人を超えていた4月と比べると落ち着いてきた時期ではあるが……。その5日前に安倍首相から緊急事態宣言延長の発表がされたことを踏まえると、その行動はいかがなものだろうか。

ハンバーガー店で感じた鋭い痛み

 予定通り17日に行われた施術は、計1時間ほど。まず全身麻酔をかけられ、より痛みを感じなくするために局所麻酔もかけられる。手術は寝ているあいだにあっけなく終わった。

 ところが、その帰り道で渋田さんに猛烈な痛みが襲いかかった。

 病院を出た後、渋田さんはまず一目散に近くのハンバーガー店に向かい食事をとった。というのも、全身麻酔が効いている間にもし吐いてしまった場合、吐瀉物で窒息死する可能性があるので、施術前8時間は何も食べてはいけなかったからだ。手術が無事に終わった安心感の中ハンバーガーをほおばっているときに、ナイフをあてられるような鋭い痛みを感じたという。施術終了から40分ほど経ったタイミングだった。

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