「古市憲寿」×東大生クイズプレーヤー「鈴木光」 巣ごもりで考えたい勉強とは何か
巣ごもりとなった学生でなくとも、誰しも胸の内に抱えていた疑問に違いない。インターネットで検索すれば答えを得られる時代に勉強する意味とは何か――。学校での日常が遠のく今、古市憲寿さん（35）がクイズ番組で活躍中の東大生・鈴木光さん（21）と語り合った。
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TBS系の人気クイズ番組「東大王」に出演中の鈴木光さんは、東京大学法学部に通う現役の4年生。同番組でブレイクし、「プレバト!!」（TBS系）にも出演するなど、若い世代から注目を集めている。その文字通りの“才媛”と、慶應義塾大学出身の論客で情報番組のサブMC、更にはCM出演など領域を越えて活躍する古市さんとの間には意外な共通点があった。
古市 僕と鈴木さんには共通の友人が多くて、それで一度お会いしたいなと思って対談をお願いしました。
鈴木 お目にかかれて光栄です。
古市 鈴木さんは、「とにかく勉強する人」だと聞いています。大学に入ってからは勉強しない人も多いじゃないですか。1日何時間くらいされていますか？
鈴木 去年はずっとやっていたので、休日でも8時間は勉強していました。
古市 8時間！ それは何の勉強を？
鈴木 去年は法科大学院に進学せずに司法試験を受けるための予備試験があったので、そのための勉強がメインでした。
古市 受かったんですか。
鈴木 はい。
古市 おめでとうございます。予備試験の合格率は4％程度。これで司法試験を受ける資格を得たことになります。予備試験通過者の司法試験合格率は8割を超えているので弁護士になれる可能性は高いですよね。
鈴木 延期になってしまいましたが、これから司法試験なので、気は引き締めないといけません。
古市 4年で卒業した後の進路はどうされるのですか。
鈴木 迷っています。海外の大学院もありえますし、司法修習に行く選択肢もあります。
古市 その場合は弁護士になるんですか？
鈴木 そうですね。これからいろんな人に出会って変わるかもしれませんが、ファーストキャリアとしては良いのかなと思っています。
古市 一方でTBS系の「東大王」などメディアにも出てご活躍中です。
鈴木 楽しませてもらっています。私、もともとクイズ番組が好きだったんですけど、「東大王」に出始めたのは、大学受験が終わった後に、高校の先生からクイズ番組が始まるらしいと聞かされたことなんです。予選やっているから興味あればどう？って。ペーパーテストを受けたら番組に呼ばれるようになって。テレビに出ることで得たものもいろいろあるなと思います。例えば、インスタグラムは、結構みなさん多種多様なことを書いてくださるんですよ。
古市 見てくれている人が。
鈴木 いろんな人がいらっしゃって“「東大王」を見て勉強したいって思うようになった、だけれど、自分は親に大学進学を反対されていて……”とか。自分よりよっぽど辛い、大変なことを経験されている方がたくさんいらっしゃる。私は公立の小学校出身で、普通に国立の中高一貫校に通って、大学も国立。どうしても閉鎖的に物事を考えてしまう傾向にあるなと自分自身でも思っていました。テレビに出て様々なご意見を聞いて、世界が広がる感じがしています。
古市 直近では何に興味がありますか？
鈴木 高校のときから法律が面白いなと思っていて、今は企業法務に関心があります。というのも、大学では、昨年お亡くなりになられた瀧本哲史さん（『僕は君たちに武器を配りたい』などの著書がある経営コンサルタント）のゼミに所属していました。企業がどういうメカニズム、戦略で利益をあげているかなど、企業分析を学ぶゼミです。買収などで企業が成長したり、変わったりする様が面白い。
古市 僕も瀧本さんにとてもお世話になりました。
鈴木 そうなんですね。
古市 初めて会ったのは10年以上前。友達の会社で役員をされていたんです。その後、一緒にテレビに出たり、付き合いが深まりました。何か問題が起こるといつも相談していましたね。
鈴木 どういうアドバイスがあったんですか？
古市 的確でした。例えば小沢一郎さんにある討論会で「再婚相手見つかりましたか」と訊いて、怒らせてしまい、炎上したことがありました。その時、謝罪会見をしたほうがいいんじゃないかと、会を主催した会社が言ってきたんです。それに対して、瀧本さんにメッセンジャーで相談。会見を開くとテレビなど影響力のあるメディアで情報が拡散される可能性が高いから、絶対にダメだと、冷静に教えてくれました。他にも、炎上した時は、世の中の賛否を見極めることが大事とおっしゃっていました。3：7だったらそんなに気にすることはない、7が批判でも3の賛成があれば形勢逆転は可能だ、とか。そういえばお通夜や告別式の情報も非公表でしたよね。
鈴木 そうでした。
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