崖っ淵の日本ハム「斎藤佑樹」、一軍スタートを“別の意味”で喜ぶ人たち

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 日本ハム・斎藤佑樹の10年目シーズンが始まった。夏の甲子園、東京六大学を騒がせた“ハンカチ王子”もベテランと呼ばれる年代に突入。今年のキャンプは一軍スタートだった。世間を大きく騒がせてプロ入りしたものの、過去2年間でいずれも0勝に終わっている。プロ入り9年間の成績をみても88試合登板、15勝26敗は寂しい限りだが、なぜか、チーム関係者の期待は大きいようだ。

「周囲は昨シーズン限りでの戦力外を予想していたので、早々と契約が決まったのには驚いた。『モノにするから』ということで強力な要望が現場サイドからあったという。中心となってプッシュしたのが栗山英樹監督というのは周知の事実。栗山監督がキャスター時代から追いかけていた投手で、(斎藤が輝いていた)甲子園の雄姿を見ているので、最後まで期待したいのでしょう」(日本ハム担当記者)

 遅まきながらも斎藤自身も焦りは感じている。殻を破り飛躍を求めるためか、昨年暮れには一般女性との結婚を発表。さらに、かつて清原和博氏との二人三脚で話題になったケビン山崎氏の主宰するトレーニングジム「トータルワークアウト」での肉体改造にも取り組んだ。

「これまで女性関係もいくつか話が出ましたが、結婚で落ち着いたことで良い方向に行くのではないでしょうか。肉体改造については驚きました。斎藤は、身体の動きをスムーズにおこなうことを大事にしていて、妨げになりやすい筋肉を必要以上に増やしてこなかった。球速アップのため、と言っていますが、どうなることか……」(斎藤を高校時代から追いかけてきたアマチュア専門のフリーライター)

 一方、斎藤が一軍でキャンプインしたことを“別の意味”で喜ぶ人もいる。

 それは、日本ハムがキャンプ地とする沖縄県名護市の関係者だ。名護市営球場は老朽化により解体され、総事業費約45億6000万円をかけて『タピックスタジアム名護』として、今年1月に生まれ変わった。グラウンドは両翼100メートル、中堅122メートルで、収容人数は旧球場の1.8倍となる7300人。将来的な公式戦開催、さらに沖縄のNPB球団誕生へ向けて夢を広げるような素晴らしい球場が完成した。

「新球場への注目度は高いですね。斎藤が1軍にいれば、集客が期待できるとともに、テレビなどでキャンプ地での盛り上がりを全国に伝えられる。また、新球場の初年度なので、沖縄県行政関係者などの来場が予想され、知名度の高い選手がいればインパクトは大きいでしょう。今後の沖縄への野球誘致やスポンサー獲得なども絡んでいるので、沖縄の関係者は斎藤の存在に大きな期待を寄せています」(前出の日本ハム担当記者)

 客寄せパンダ……いや“ハンカチ王子”のブランドは、なお健在のようである。ただし、2年連続勝ち星なしという現実、そしてプロ野球選手として“崖っ淵”にいるのは間違いない。ハンカチを“白旗”に使わぬように、斎藤は今季頑張るしかない。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月12日掲載

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