一般人には絶対分からない刑務所の「性」「隠語」「信仰」 タブーを一挙解説する

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 現在、日本全国の刑務所には約5万人の受刑者が収容されていると言われる。もっともこの数年は減少傾向にあるそうだ。前回の記事(12月31日配信)では、新書『もしも刑務所に入ったら』(ワニブックス)の著者の河合幹雄氏に、刑務所での生活や年末年始の過ごし方を聞いた。今回は、受刑者の“性”や刑務所で使われる“隠語”について語ってもらった。

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 会社や学校と同じように、刑務所でもいじめはある。だが、罪を犯した受刑者たちのやることは、世間一般の想像を絶するという。

「刑務所内で一番酷いいじめは、大便を口の中に押し込むことです。実を言うと、“糞食らえ”という言葉は、刑務所で生まれました。本当に糞を食らわせていたのです。“袋叩き”も同様です。大勢の人から叩かれる、非難されるという意味ですが、刑務所では、実際に麻袋を頭に被せ、両手両足をしばって転がし、みんなで叩いていじめたので、“袋叩き”と呼ぶようになった。元々は刑務所で使われていた言葉でした」

 とは、著者の河合氏。同氏は、法務省矯正局関連の評議員や刑事施設視察委員会委員長として、刑務所だけでなく少年院や女子少年院など、全国の矯正施設を視察してきた「日本一、刑務所に入った男」として知られる。

 男性受刑者は、刑務所では生身の女性を見る機会はほとんどなくなる。

「あるとすれば、歌手が慰問に訪れた時か、面会人くらいです。女性がいないと日々悶々としてしまうのは、受刑者も一般男性も同じです。性欲を我慢するのは難しいので、ひとりで処理するしかない。基本的に不審な行動は懲罰の対象になりますが、差し入れによるエロ本の閲覧は禁止されていないので、事実上、黙認されていると言っていい」

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