神戸「小学校イジメ教諭」の実名 文科省の怠慢で次はあなたの子どもの教壇に立つ可能性

社会 週刊新潮 2019年10月31日号掲載

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 東須磨小のイジメ教師たちの極悪非道は、底なし沼のような深まりを見せている。ところが、彼らはいまも直接の謝罪もせずに禄をはみ続け、いずれどこかで再び教壇に立つ可能性が高いという。ならば我々も、彼らの名を知って自己防衛する必要があるだろう。

 ひと口にイジメによる被害といっても千差万別だが、神戸市の東須磨小学校におけるそれは、「生き地獄」と呼んでも生ぬるい。被害を受けた教員の心的および肉体的ダメージが、もはや想像を絶するものであったことは、すでに報じられている被害の実態からも、容易に想像されよう。

 ところが今月16日夜、くだんの小学校で開かれた保護者説明会に、4人の加害教員の姿はなかった。

 いうまでもないが、なにが行われたのかを知っているのは加害者と被害者である。ダメージを受けて治療中の被害者を保護者の前に立たせられないのは当然だが、その分、加害者はあらゆる苦しみを耐え忍び、自らの所業を説明すべきだろう。しかるに、

「学校側は、4人の加害教員への聞き取りがまだ十分にできていないとか、4人には謝罪する意思はあるものの、説明会に出てこられる状況にはない、などといい、あとは“調査中”と繰り返すだけだったので、保護者の怒りがさらに募った感がありました」

 と地元の記者。出席した保護者もいう。激辛カレーを無理強いされた関口雄太教諭(仮名)がクラス担任だった児童の親である。

「事件当初は、加害教師は謝罪すべきだと思っていました。でも、謝罪すれば許されるという段階は、もう越えたと思うんです。仮にどんなに完璧な謝罪文を書いても、自分の子どもの担任をいじめていたなんて許せません。行政処分、刑事罰という話でしょう。一歩間違えていたら、被害者の命だってどうなっていたかわからないのですから、加害者の先生たちが、この罪を一生かけてどう償っていくのかということが大事だと思っています」

 4人は現在、有給休暇をとって療養中だという。彼らが幼稚で残酷なイジメを通して、いったいどんな欲求を満たしたかったのか、常人には想像もつかないが、都合が悪くなると療養中ですむ話ではあるまい。

 加害教員たちが行ったことの一端をあらためて列挙すれば、彼らが守られていることへの違和感は、ひときわ高まるに違いない。

 関口教諭が受けた被害の全貌について、この被害者の関係者の話に耳を傾けたい。主犯格とされる30代の男性教諭の実名は蔀(しとみ)俊。まずは彼の行いから始めるが、加害者を、今回あえて実名で報じる理由は、追って説明したい。

「関口先生は大学を卒業後、一昨年4月に東須磨小学校に赴任し、3年生のクラス担任になりました。当初から、新人なので授業を見学したいとお願いし、蔀先生に“来るな、教室が汚れる”などといわれたりしたものの、明らかなイジメ行為が顕著になったのは昨年春ごろから。仕事の質問をしても“誰に許可得て喋ってんねん。クズが喋んな”などといわれ、言葉だけでなく、校内で膝蹴りをされたり、プロレス技で首を絞め上げられて呼吸困難になったりするのは日常茶飯事。乳首を掃除機で吸われ、熱湯が入ったやかんに顔をつけられる。ロール紙の芯で臀部を思いきり殴られたときはミミズ腫れになり、あざが数日引かなかったとか。今春からは、輪ゴムを顔に当てられることが増えたということでした」

 さらには、

「カバンに氷を入れられ、中がびしょびしょになったことも何度もあり、児童に配るプリントまで濡らされたとか。出張に行くときは、“甘いもん買ってくるのが礼儀やろ”と強要され、買ってくると“こんなんで好かれようとするな”といって、目の前で捨てられたそうです。はいていたジーンズの穴に手を入れ、ビリビリに破られたこともあるといっていました」

嘔吐、痙攣に大笑い

 関口教諭に対する蔀教諭の干渉は、校内にとどまらなかった。

「蔀先生の家まで車で送るように何度も強要され、待たせると怒ったり、車を叩かれたりしたとか。今年5月には、仕事が終わっていないのに“はよ帰りたいから送れや、クズ”といって送らされたそうです。降車するときは、わざと窓から出たり、足でドアを閉めたりするのが通例。灰皿に水をためて車内にまき散らされたり、車のボディにトマトジュースをかけられたりしたことも。蔀教諭が車の屋根に乗っている写真は昨年12月、家に迎えに来させられたときのもので、蔀教諭は屋根に上がってから飛び跳ねたそうです」

 楽しいはずの食事や飲酒の場面は、さらに地獄で、

「昨年の運動会後の飲み会では、ビール瓶を口に突っ込まれて飲まされ、飲み終えると瓶で頭を叩かれたとのこと。酒を無理に飲まされ、“もう無理です”と断ると、“雑魚(ざこ)いな”といわれて平手打ち。辛いものが苦手なのに激辛ラーメンを強引に食べさせられたときは、“もう無理です。許してください”と懇願しても、“はっ? 無理やし、全部飲め”。さらには“唐辛子の身を全部食べろ”と。関口先生がトイレに駆け込んで嘔吐し、痙攣や痺れで苦しんでいる間、ほかの先生も一緒に大笑いしていたとか。また、ラーメン屋では、飲み水に生姜汁や酢を入れたものを飲まされ、昨年暮れの飲み会では、ドレッシングや焼き肉のたれ、キムチ鍋の素などを大量に飲まされたそうです。“太れ”といって、大量のお菓子を口に突っ込まれたこともあると話していました」

 兵庫県内の私立男子校で、蔀教諭と同級生だった男性によれば、

「彼は高校時代からワルのグループにいて、一言でいえば幼稚な性格。クラスでもギャーギャー騒いでいるようなやつで、大人しい生徒にはプロレス技をかけたりする一方で、先生には従順で逆らいません。だから先生から見ると、悪い印象はあまりなかった気がしますが、“陰湿な性格だな”と思っていました」

 十年一日のごとく幼稚な性格だということか。動画で有名になった、昨年9月10日の家庭科室におけるできごとでも、関口教諭を背後から羽交い絞めにして身動きできなくしていたのは、蔀教諭だった。

 このとき、うれしそうな表情を浮かべ、関口教諭の口に激辛カレーを入れていたリーダー格の女性教諭。その名を、長谷川雅代という。先の記者が語る。

「彼女は気に入った教員を校長が自分の学校に呼べる神戸方式で、前の前の藤原高広校長に呼ばれて一昨年4月、東須磨小学校に赴任。彼女の周囲にイジメ集団が形成された恰好です。芝本力前校長にも気に入られて、集合写真でもよく隣に座るので、愛人ではないかと陰口を叩かれていました」

 前述の保護者説明会で読み上げられた、彼女の謝罪のコメントには、

〈被害教員には自分の思いがあって接していたつもりです。自分の行動が間違っていることに気づかず、彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当に辛いです〉

 というブラックジョークとも受けとれる文言が含まれていたが、彼女は関口教諭になにをしてきたのか。先の関係者が続ける。

「学校では毎日のように平手打ちしたり、蹴ったりしていたそうです。日ごろから“犬”呼ばわりし、そのうえ関口先生の家庭について、“お前の家は母子家庭でややこしい”“親父は不倫してほかに家庭あるらしいな。ろくでもない父親”と中傷し、また、児童にいろいろとけしかけていたといいます。“関口先生はセミ食べるねんで”と伝え、“関口を男子全員ではめて居場所をなくせ”といったり、今春も“関口学級をめちゃくちゃにしたれ”といったりしていて、5月にも“関口先生のいうことは聞かんでいいで”と児童に伝えていたそうです」

 彼女にとっての「かわいがり」は、苛烈な相撲部屋のシゴキ以上に激しいようだが、その〈行動が間違っていること〉にさえ気づかない時点で、教師以前に人間失格であるのは間違いなかろう。

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