「スマホ使用で思春期の脳が壊れていく」 脳トレ開発者の警告は黙殺された!

ライフ 週刊新潮 2019年8月15・22日号掲載

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使うアプリの数が多いほど…

 それが決して大袈裟でないことは、掲載のグラフを見れば明白である。これらは宮城県仙台市で、スマホを所有する小学校5年生から中学3年生までの児童・生徒を対象に、追跡調査した結果をまとめたもの。結論から言えば、勉強中にスマホを使えば使うほど、彼らの学力は低下してしまったのだ。

「大人が安直に、子どもたちにスマホを使わせるのは、罪でしかありません」

 と話すのは、東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長。ニンテンドーDSの「脳トレ」監修者としても知られる川島氏は、仙台市教育委員会との9年にも及ぶ追跡調査で、スマホが子どもの脳に与える影響を分析した。

「スマホを使う子どもの成績が悪いと聞けば、勉強しなくなったり睡眠不足になるからだ、と思われるかもしれませんが、それは違います。いくら勉強しても、きちんと睡眠時間をとっても、スマホを使う子の学力は上がらない。長時間使えば使うほど、脳の発達そのものに悪影響を及ぼすことが分かってきました」(同)

 一旦スマホを手にすれば、これまでの努力は水の泡になると川島氏は続ける。

「1日の睡眠時間が平均7~8時間、家庭での勉強時間が3時間以上という生徒で比較してみたところ、スマホ使用が1日1時間未満だった子どもたちの偏差値が57・2だったのに対し、1時間以上使うグループは52・6でした。他方、家庭での勉強時間が30分未満でも、スマホ使用が1時間未満という子どもたちは偏差値が50を超えたのです」

 せっかく勉強に3時間以上費やしても、スマホを長く使ったら学習時間が30分未満の生徒と同じ成績になってしまうのだ。

 特に悪影響を及ぼすのは、SNSの「LINE」や、「動画」「ゲーム」などのアプリだという。掲載のグラフを見て欲しい。勉強中に使うアプリの数が多いほど、偏差値が下がるのが一目瞭然。恐ろしいのは、平日の学習時間が2時間以上のグループと、30分未満しか勉強しないグループとの比較である。

 使うアプリの数が増えるのに比例して、両者の偏差値は45前後まで低下するのだ。

「アプリについては、LINEなどのSNSが要注意です。メッセージのやり取りを行うことで人と繋がり合う、同時双方向性のあるものを長時間使うのはよろしくない。勉強したくても、できるような状態に脳がならないのです。心理学者たちは、SNSをひっきりなしに使ってしまうことで脳がマルチタスキング(複数の物事を同時に行うこと)となり、集中力が途切れてしまうと指摘しています」

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