玉三郎も愛用、がん縮小も? 水素水とは段違い「水素ガス吸引」の効果

ライフ 週刊新潮 2019年7月4日号掲載

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ラットへの有効性を確認

 まずは慶應大学医学部循環器内科准教授で水素ガス治療開発センター長、佐野元昭氏の説明を聞こう。

「2007年、日本医科大の太田成男教授が『ネイチャーメディシン』に、水素吸引で脳梗塞の症状が抑えられるというラットでの実験結果を発表し、大きな反響を呼びました。我々も研究を続け、いまでは水素による治療効果、健康増進効果は間違いないと確信しています。最近はハーバード大が力を入れていて、すでに豚などの大型動物で研究を行い、今年中にはヒトでの研究も始める予定で、我々もノウハウを提供するなど協力しています」

 佐野氏らが力を入れるのは、心肺停止患者への水素吸入療法の臨床実験で、

「全国18施設で、脳や心臓の障害を改善する効果についての症例を集めています。12年の時点で、ラットへの有効性を確認し、ヒトに対しても間違いなくあると考えています」

 要は、心肺停止した患者は、蘇生術によって血流を再開させる際に大量の活性酸素が発生し、脳や臓器を傷つけるのだとか。

「このため、一命を取りとめても社会復帰できる患者はごくわずかですが、水素吸入でその回復率を高めようというのです」

 また、それ以外では、

「臓器移植の際、臓器保存液に水素を充填すると、移植後の拒絶反応を減らせることが、動物実験段階でわかっています。水素が効く機序は十分に解明されていません。これまでの薬と違い、ピンポイントでどこかに強力に効いているのではなさそうです。わずかな効果が積もって治療効果を発揮するイメージで、だから副反応も出にくいのです」

 だが水素ガス吸入療法は、16年に厚労省の「先進医療B」にも指定されたわりには、研究がなかなか進まないという。なぜか。

「新しい治療薬に、製薬会社は多額の投資をするものですが、水素は既存の物質で単価も安く、積極的に投資する会社が現れません」

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