元農水次官の息子殺害事件、同じような“子殺し”裁判では執行猶予付き判決も多数

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被告の大半は高齢の父親

 2009年7月、千葉県警は経営コンサルタントの父親(67)と母親(61)を殺人の疑いで緊急逮捕した。無職だった長男(35)の首を電気コードなどで絞め、弁護士と共に船橋東署を訪れて自首した。

 千葉地裁の裁判員裁判では、長男が10年前に精神疾患を発症。父母が殴られたり蹴られたりして将来を悲観していたことが明らかになった。

 まず母親がバンダナで長男の首を絞め、父親が長男の名前を呼び、「これしかないよ」と言って電気コードを首に巻きつけた。そして父母がコードを引っ張りながら殺害したという。判決では父母の2人に懲役3年、執行猶予5年が言い渡された。

 他にも3つの判決がある。これまで記事で紹介してきた判決と合わせて表にした。ご覧いただきたい。

 78年に判決が下された事件は「開成高校生殺人事件」として大きく報道された。“子殺し”で執行猶予がついた判決も注目を集めた理由だが、やはり近年の事件と比べると、親も子供も若いことが印象的だ

 読売新聞は17年、「[孤絶 家族内事件]親の苦悩(9)独房で読経 苦しむ父」を掲載し、《親が障害や病気に悩んだ末に子供を手にかけた殺人事件(2010~16年)の判決を調べたところ、実刑は6割で、残りは執行猶予だった》と報じた。

 今後、熊沢容疑者の事件は、捜査や法廷でどこまで真相が明らかになり、どんな判決が下るのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月16日掲載

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