設立111周年「全国老人福祉施設協議会」でパワハラ騒動 コンプラ担当役員が部下に「バカ」
辞職の構え
病院で下された診断は「ストレス関連障害」。上司のパワハラ的な言動がその理由という所見だった。時期を前後し、もう1人の女性職員は役員の言動に耐えかね、昨年12月にコンプライアンス委員会に改善を訴えた。
「ところが、2人が“被疑者”となった調査ではすぐに結論が出たにもかかわらず、その常務理事を対象とした調査は一向に動かない。かれこれ3カ月にはなるはず。パワハラを受けた当人たちの記憶も薄れてしまいますよ」(同・老施協関係者)
コンプライアンス委員会には、老施協の会長や副会長が名を連ねている――訴えに出た40代職員は、組織そのものに絶望し、周囲には辞意を明かしている。当人に話を伺うべく取材を試みるも、
「まだ調査中のことですので……」
と多くを語らない。一方の老施協は、件の役員について「法人運営の監視機能強化を目的に就任」「一昨年の8月24日からコンプランス委員会委員に就任」としたうえで、
「本会からの回答は控えさせていただきます」
という答え。さらに老施協には、不当な降格処分を不服とした職員が「労働審判」を東京地裁に訴え出る事態も起きている。これからの時代、ますます尽力が求められる老人福祉を担う団体が、これでは……。
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