電気グルーヴから「ドラッグをもらった」元DJ女性の告白

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 逮捕劇がもたらした余波の大きさが、この国民的「怪優」の活躍ぶりを如実に物語っていた。麻薬取締部の取り調べに、20代の頃から薬物を使っていたと供述したピエール瀧容疑者(51)。若き日の彼と、電気グルーヴの盟友たちの知られざる「乱用」の実態とは――。

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 当時20代前半だった元DJの女性が、ドイツ・ベルリンで開催された「ラブパレード」に参加したのはいまから20年ほど前のことだ。このイベントは100万人を超える観客を動員する世界最大規模のテクノミュージックの祭典。ベルリン中を巻き込む狂乱の最中、あるクラブを訪れた彼女は、そこで顔見知りの男性とバッタリ出くわしたという。

 そして、

〈「エクスタシー持ってない?」って聞いたんです。彼はメチャクチャにラリっていて、「邪魔しないで!」って感じで、スゴく嫌々、私に1粒くれました。ポケットから1粒出そうとしてる時に、エクスタシーがポロポロ落ちて床を転がっていきました。半端な数じゃなかったんで、「スゲーッ!」ってビックリしましたね。彼は、落ちたエクスタシーを拾えるような状態じゃなかったです。私が「ありがとうございます!」ってお礼を言うと、「ハァ~」と気の抜けた返事をしていました〉〈中学の時からずっと憧れていて、雲の上の人だったんです。それが、クラブに出入りするようになってだんだん身近になって、直接ドラッグまでもらっちゃって(笑)。本当に夢みたいでしたね〉

 以上は、2005年に刊行された『セックス依存症だった私』(新潮社刊)からの抜粋だ。

 著者はこの元DJ女性。「K子」という筆名で自らの壮絶な薬物体験を赤裸々に綴っている。そんな彼女がベルリンのクラブでエクスタシー、つまり、違法薬物に指定されるMDMAをねだった男性――。

 書籍では伏せられているが、それは「電気グルーヴ」のメンバーだった。

 ご承知の通り、関東信越厚生局麻薬取締部は3月12日、ピエール瀧こと瀧正則容疑者を、自宅でコカインを使ったことによる麻薬取締法違反の疑いで逮捕した。

 瀧容疑者は映画「凶悪」、「アウトレイジ 最終章」などで強面ぶりを遺憾なく発揮する一方、「ALWAYS三丁目の夕日」やNHKの朝ドラ「あまちゃん」、現在放映中の大河ドラマ「いだてん」では味のある脇役を演じて存在感を示してきた。

 いまや映画・ドラマに引っ張りだこの売れっ子俳優は、しかし、逮捕直後に捜査員から職業を問われ、「ミュージシャン」と答えている。そう、彼の「ホーム」はあくまでもテクノユニット「電気グルーヴ」なのだ。

 1989年、共に静岡出身の瀧容疑者と石野卓球(51)の2人を中心に結成された電気グルーヴは、

「いわばテクノミュージックの日本代表。日本よりテクノという音楽ジャンルが一般に浸透しているドイツでも、常にレジェンド扱いをされてきました」

 そう説明するのはK子さん本人である。

「電気グルーヴはデビューまもない頃から年末年始に静岡県内のクラブでイベントを開いていました。当時のクラブイベントでは、エクスタシーやマリファナ(大麻)はなくてはならない存在。ドラッグをキメながら大音量で鳴り響く音楽に身を委ねて踊り狂うんです。電気グルーヴのイベントでも当たり前のようにドラッグが出回っていました。もちろん、瀧容疑者をはじめ、関係者はみんなドラッグに溺れ、大麻やエクスタシーをキメていましたよ」

 このイベントに通い出したことで、彼女はフロアの熱狂を煽っていた電気グルーヴのメンバーや関係者と面識を持つようになる。

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