卑劣な盗撮犯を狙い打ちし、恐喝する“盗撮ハンター”のもっと卑劣な手口

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自宅に来られるケースも

 盗撮ハンターが恐ろしいのは、多額の現金を払っても、それだけでは終わらない場合もある点だ。河西氏はさらなる悲劇のケースを語る。

「盗撮ハンターによる被害額は、平均100万円ほど。それより多くの額を支払ってしまうと、ハンターにつけ込まれ、数カ月後にまた連絡される事例もあります。たとえば『被害者女性がPTSDにかかって退職することになったので、慰謝料をよこせ』と、電話で金を請求されたり、住所まで教えていた場合、自宅まで押し掛けられたという例も決して珍しい話ではありません」

 また、仮に盗撮ハンターが捕まったとしても安心はできない。警察の家宅捜索によって押収されたハンターのパソコンから盗撮データが発見され、数年越しに盗撮犯に連絡が行く――という可能性も十分にある。

「盗撮をしてしまった人には、基本的に盗撮ハンターに一生ゆすられるかもしれないという恐怖におびえ続けるのか、自首して罪を償うかという選択が残されることになります。」

 過去に河西氏の事務所で扱った案件では、盗撮ハンターが顔写真と身分証明書を警察に提出したことで、盗撮犯がお縄になった事例もあるという。

 もっとも、盗撮犯が多いからこそ、ハンターも増えているというのが現実だ。ともに卑劣な犯罪者、盗撮犯も盗撮ハンターも同じ穴の狢であることは言うまでもない。

取材・文/福田晃広(清談社)

週刊新潮WEB取材班

2018年11月13日掲載

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