「応援上映」「絶叫上映」… 参加型の映画鑑賞はなぜウケる?

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参加型映画鑑賞と映画界の未来

 従来の静かに黙って鑑賞するのとは180度異なる鑑賞法だが、映画業界そのものに、どのような影響があるのか。

「応援上映回のチケットはほとんど完売するため、経済効果は確実にあります。また、地方の映画館や映画祭でも応援上映で人が増えて盛り上がるなど、業界全体が活性化しているという実感はかなりあります。鑑賞法が変わっていっている、ということではなく、参加型映画鑑賞によって映画の楽しみ方が増えたと見るほうが正しく、一過性のブームとは言えないほど定着しています。もちろん、静かに映画を観たい人も多くいるため、強制はせず、通常回との住み分けも必要です」

 当たり前になりつつある3Dや4DX上映だが、これは大手シネコンでなければ導入は難しい。その点、中小でも企画できる「参加型上映」は、業界の新たなる希望といえる。とはいえ、

「参加型映画鑑賞はこれから色々な手法が考えられていくでしょう。しかし、これも映画館経営の厳しい状況の現れであり、3Dや4DX同様、集客のための“苦肉の策”であることに変わりはないです」

 参加型映画鑑賞は、中小映画館の経営者にとって、起死回生の生き残り策となりうるのか――?

取材・文/沼澤典史(清談社)

週刊新潮WEB取材班

2018年10月28日掲載

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