“一生償っていく”から28年――被害者語る「綾瀬コンクリ殺人」元少年の“殺人未遂”犯行
“一生償っていく”
主犯格の少年らは、返り血が付着しないよう拳をビニール袋で覆って、彼女の顔面や腹部を殴っていたが、それに飽き足らず、キックボクシングの練習に使う鉄球付きの鉄棒を持ち出してきた。その鉄球部分で彼女の腹や太ももを殴打した上、ライターのオイルをかけて火を付けた。ぐったりした彼女はとぎれとぎれの声で、「苦しいです」と漏らすのがやっとだった。
瀕死の彼女を置き去りにしたままサウナに出掛けた彼らが再び部屋に戻ってきたのは翌日午後。主犯格の少年は彼女の顔にタバコの煙を近づけ、手でその体を押した。すでに死後硬直が始まっていた。絶望の中で一人、彼女は死んだのだ。
湊容疑者らは彼女の遺体をドラム缶に入れ、コンクリートを流し込んで固めた上で都内の埋立地に遺棄した。
「今思えば、(被害者を)人間だと思っていなかったというか、その頃は、人間とか、そういうのも考えていなかった」
後の公判での湊容疑者の言葉である。一審の最終意見陳述では、しおらしい態度でこう述べてみせた。
「古田さんや世の中の皆さんに大変迷惑をかけ申し訳なく思っている。自分はまだまだ未熟だが、しっかり反省して一生償っていく」
それから28年――。
少年法に守られた彼の更生が単なる「理想」に過ぎなかったことを、湊容疑者は自らの行為によって証明してみせたのである。
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