「人の肉体は最後にはこうなるのだ」 死の「裏方」を知る「葬送の仕事師」たち

国内 社会

  • ブックマーク

「死後、筋肉が弛緩し、口がガバーと開き、目玉も出てきてしまいます」【壮絶な死の現場】

 母は十年かけて少しずつ死んでいった。体中の機能が失われていき、やがて口を動かす機能が失われた。口が動かなければ食べられない。ある日、母のからだに直接栄養剤を送り込むための胃瘻の手術をし、その帰りがけに、中華料理屋で母のいない食卓を囲んだ。母が二度と食べることのなかった、あの餃子の味を、私は忘れることができないだろう。

 あれは生きながら母を弔う通夜だった。母が少しずつ死に向かう間、私は突き動かされるようにして、濃厚に死の匂いのする現場に入り、『エンジェルフライト』で国際霊柩を、『紙つなげ!』で被災者の再生を描いた。...

記事全文を読む

Advertisement

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。