満身創痍の「内田裕也」を密着300時間 崔洋一監督が語るドキュメンタリー撮影秘話

芸能2018年8月4日掲載

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 7月29日に放送された「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)をご覧になっただろうか。タイトルは「The Rolling Soul」、正式には「転がる魂 内田裕也 前編」で、ロックンローラー内田裕也(69[ロック]+9=78)を追い続けたドキュメンタリ―だ。いきなり入院中のベッドに横たわる弱々しい姿から番組はスタート。ナレーションは妻である樹木希林(75)で、証言者としてビートたけし(71)、秋元康(60)、竹中直人(62)、近田春夫(67)……も登場。8月5日の“後編”放送前に、同番組を監督した崔洋一氏(69)に裕也氏との40年以上の関わりを聞いた――。

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崔監督:元々はね、松田優作(1949~89)の人気シリーズ映画「最も危険な遊戯」(78年、東映セントラルフィルム、村川透監督[81])で冒頭に麻雀を打つシーンがあるんですけど、その打ち手の一人として裕也さんに出てもらったんです。ぼくは当時、チーフ助監督でね、それ以来、親交があるというか……。

――最初の出会いは助監督としてだったが、それ以前にミュージシャンとして内田裕也のファンでもあったという。

崔監督:そう、裕也さんがまだロカビリーの頃だね。田川譲二さん(77)や尾藤イサオさん(74)とトリオを組んだりしてて、ぼくはなぜか裕也さんの鼻に抜けるような高い声が好きだった。まあ元々、巨人・大鵬・卵焼きの時代に国鉄スワローズ応援するタイプだったからね。裕也さんは飛び抜けて歌がうまいというタイプではないし、今回も自分で言っているけど「ヒット曲もない」、少数派の代表みたいな存在だったんですよ。同級生に裕也ファン? いないよ、そんなの……。そうそう、映画の現場に入りたての頃、東京体育館の前でロケしていたら、体育館からリハーサルの音がガンガン流れてくる。それが裕也さんの「フラワートラベリンバンド」の凱旋公演でね、こっちは音がうるさくて撮影できないわけですよ。監督は「止めさせろ」って言うけど、無理でしたね。なんかね、裕也さんて、ぼくの人生の節目節目に現れるんですよね。

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