ドン・ファン怪死、「殺人容疑」でガサが入った幼妻の新宿マンション “姉がいる”の嘘

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「55歳差」というインパクトがもたらす憶測や懸念をものともせず、運命の出会いを経て結ばれたご両人。それが僅か数カ月で、幸せな時間の消失を余儀なくされたのだから、残酷と言うほかない。

 にもかかわらず、悲嘆に暮れるべき妻には目下、あろうことか重大な嫌疑がかけられているのだ。

 掲載の写真をご覧頂きたい。日時は6月2日の昼前、東京・東新宿での光景である。オーバル型サングラスとマスクで“武装”し、派手な柄の上着を羽織った女性が、擦り切れたジーンズ姿で堂々と歩を進めていく。右手には、自身の部屋の鍵がしっかり握られていた。

 さる5月24日の夜に急死し、その後の解剖で遺体から多量の覚醒剤成分が検出された「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助氏(享年77)の幼妻・Sさん(22)である。

 写真で、Sさんの傍らを歩くのは女性警察官。今まさしく、眼前の彼女の自宅マンションに被疑者不詳のまま殺人容疑で、和歌山県警の家宅捜索が入らんとする場面なのである。

 現場で取材した記者が言う。

「この日は和歌山ナンバーのミニバンでSさんと女性警官が到着。続いて大型のスーツケースやプラスチックケースを持った県警の捜査員ら計10人余りが、次々とマンションに吸い込まれて行きました」

 大通りに面した13階建ての高層マンションは、築1年半と新しく、Sさんの住む部屋は、約24平方メートルのワンルームで、家賃はおよそ14万円。近隣の不動産業者に聞くと、

「一般的な分譲賃貸に比べ、投資目的のオーナーが多い物件。入居審査は緩やかで、新宿で働く水商売の方も多く住んでいます」

 とのことで、今年2月に野崎氏と結婚し、和歌山県田辺市で新婚生活を始めたのちも、Sさんは賃貸を解約することなく東京の“別宅”をキープし続けていた。野崎氏の知人によれば、

「その理由について、Sさんは『姉が一緒に暮らしているから』と野崎さんに話していたのですが、実際はお姉さんは故郷の札幌にいる。どうしてそんな言い訳をしていたのかは知る由もありませんが……」

 ともあれ、2日の家宅捜索は8時間に及んだ。先の記者が続けて、

「捜査員が続々と出てきたのは19時過ぎ。段ボール箱が5つほど、そして炊飯器などの入った大きなビニール袋も運び出されていきました」

 県警は野崎氏の死亡直後から、Sさんをはじめ60代の家政婦、さらには経営する会社の従業員などを次々と事情聴取。尿検査や口腔のDNA採取、注射痕まで調べるなど、殺人を視野に捜査を進めてきた。その一環で、Sさんの別宅にも手が及んだというわけである。

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