米朝会談でも解決しない! 最前線が考える「日本の核武装」 陸海空「幹部自衛官」緊急座談会

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「徴兵制論争」の愚

陸自 よく保守系のメディアで「徴兵制を導入しろ」などと言う人がいますが、はっきり言ってあり得ません。歩兵1人を育てるのだって何年かかることか。1年や2年程度で必ず除隊する人員では戦力になりません。

空自 全国津々浦々から、毎年ある年齢の国民を一斉に入隊させるなんて、地方自治体まで巻き込んだ壮大な行政能力が求められます。全員分の被服や宿舎も必要になるし、その前提として、莫大な予算が必要なのは言うまでもない。

海自 たしかに現場の人手不足は深刻ですが、だからといって「徴兵すべし」なんて考えている自衛官はかなり少ないでしょう。嫌々入隊させられただけの、やる気のない若者の群れを訓練しているような余裕は今の現場にはない。

空自 その意味では、いまだに真顔で「徴兵制反対!」なんて見当違いなことを叫んでいるリベラル知識人も滑稽です。「いやいや、我々も反対!」と言ってやりたい。

陸自 「百年兵を養うは、一日これを用いんがため」。いざという時に機能する防衛力を養うには、やみくもに最新兵器を買ったり人を増やせばいいというわけではありません。核ミサイルも同じで、北朝鮮は数十年かけて国家戦略として開発を進めてきた。まさに国家百年の計であって、日本人だってもう何年も前からそのことを知っていたはずです。

空自 頭上をミサイルが通過する段になって、「おい、自衛隊どうするんだ」と聞かれても困りますよね。どうするか決めるのは国民なのですから。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

特集「緊急企画『幹部自衛官』匿名座談会 『米朝会談』でも解決しない! 最前線が考える『日本の核武装』」より

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