千葉県が“キョンハンター”急募 カミツキガメと同待遇

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 八丈島のきょんっ!! 山上たつひこのギャグ漫画『がきデカ』で、こまわり君が唐突にこう叫ぶシーンに抱腹絶倒した年齢層の読者も少なくないはず。だが、千葉県で増殖中のキョンは、森田健作知事にとっては笑えない存在なのだという。

 キョンはシカ科ホエジカ属で、主な生息地は中国や台湾。成獣の体長は70〜100センチで、体重は10~15キロになる。ちなみに、繁殖期はなく、一年中繁殖行為を行うのが特徴だ。千葉県では、数年前に県内の観光施設から逃げ出して、増殖したとみられている。

「キョンの頭数は、増加する一方です。2001年度は約1000頭でしたが、15年度は約4万9500頭にまで増殖しました」

 こう解説するのは、千葉県環境生活部環境政策課の担当者だ。

「キョンによる農作物の被害額は16年度で約132万円。その一方、県民からは“夜中、キョンのグワァーとか、ブァーという鳴き声が気持ち悪いからなんとかしてくれ”との声が数多く寄せられていたのです。キョンはカミツキガメと同じく生活環境被害をもたらす特定外来生物ですので、本格的に駆除に乗り出しました」

 実は、千葉県は今年1月にも“キョンハンター”を募ったが、条件が合わずに不採用。そこで5月9日から改めて、公募を開始している。

 応募資格は、野生獣の生態の専門知識を持ち、普通自動車免許と“わな猟免許”を8月末までに取得見込みのある人だそうだ。採用後は経験に応じて副主幹級以下として、年収540万円から670万円が約束される。これは以前採用した“カミツキガメハンター”と同待遇で、任期も同じく3年間だ。で、わな猟免許って何?

「キョンが踏んだら足が固定される“くくりわな”などを使用するので、わな猟免許が必要なのです。捕捉したキョンは、すべて殺処分します」

 募集期限は5月28日。いや、房総半島はにぎやかだ。有能なハンターを採用できることを祈ります。

週刊新潮 2018年5月24日号掲載

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