夢の「タワマン」からまっ逆さま… 住民から“修繕費が足りない”の悲鳴が上がるワケ

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

外壁修繕、給排水管がネックに

 そのなかでタワマンに特徴的なのは外壁修繕で、前出の須藤代表が言う。

「上に高いので足場を組むにも費用がかかり、15階を超えると補強も必要で、またコストがかかる。20階を超えると足場が組めないのでゴンドラを使いますが、さらにハイコストです。10階の1号室から5号室に移動する際、足場なら職人はすぐ動けますが、ゴンドラだと、1号室を終えたらいったん下まで降りてゴンドラを5号室の下に移し、乗り直して上がる。なので労働時間が何倍もかかって人件費がかさみます。結果、タワマンの修繕費は高さ60メートル未満のマンションとくらべ、高ければ5割増しくらいになってしまいます」

 一方、前出の山口氏は、

「タワマンの修繕で今後問題になるのは、給排水管でしょう。タワマンは無理な設計をしているので、給排水管に問題が出るのも当たり前。築10年を超えれば不具合が出てもおかしくなく、交換するとなると何億円もかかる。そのため後回しにしがちですが、漏水など生活に直接影響します」

 だから修繕に向け、十分な備えが必要だが、

「分譲時に分譲会社や管理会社が作った長期修繕計画は、結構いい加減な場合が多く、漏れや間違いが見つかることも少なくない。私の経験では、修繕費用の見積もりが安すぎる場合が圧倒的に多く、結果的に修繕費用が不足する事態が多発しています」(土屋氏)

(下)へつづく

週刊新潮 2018年5月17日号掲載

特集「夢の『タワーマンション』からまっ逆さま! 住民が悲鳴を上げた『修繕費が足りない!』」より

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。