夢の「タワマン」からまっ逆さま… 住民から“修繕費が足りない”の悲鳴が上がるワケ

社会週刊新潮 2018年5月17日号掲載

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これから大きな混乱が

「日本の建築業界の技術力があれば、タワマンを建てるのは十分可能でした。しかし、大規模修繕については業界全体の経験値が低く、いくらかかるのか予測が立てられていません。初期のタワマンが一斉に1回目、2回目の大規模修繕を迎えますから、これから大きな混乱があると思います」

 そう語るのは、建物診断設計事業協同組合の山口実理事長だ。さくら事務所創業者で会長の長嶋修氏も、

「増えはじめた2000年代前半、タワマンは解体できないのではないかと言われた。それでも建て続けたくらいなので、建てたあとの修繕費用など検討事項に入っていなかった」

 と言うほどで、修繕問題はタワマンのアキレス腱になりそうなのだ。むろんタワマンにかぎらず、マンションに修繕は欠かせず、

「大規模修繕工事に必要な資金を計画的に積み立てるために、長期修繕計画が作成されています」

 そう説明するのは、前出の土屋氏である。

「これは将来予想される修繕工事の内容や時期、費用の概算などを盛り込んだ計画表で、08年に国交省から作成のガイドラインも公表され、築12年から15年で1回目の修繕工事を行うのが一般的です。1回目は外壁や屋上防水など建物関連の修繕が中心ですが、築24年が目安の2回目、36年が目安の3回目は、加えて給水管や機械式駐車場、エレベーターなどの設備修繕も必要になる。修繕回数が増えるほど、工事にかかる費用も高額になります」

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