リケジョ社長が解析 “三大疾病リスク”から“肌に合う化粧品”も分かる「遺伝子検査」最新事情

ビジネス IT・科学 2018年05月19日

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 2003年にヒトゲノムの解析が終わって以降、遺伝子検査はアップデートが繰り返される日々である。日本における解析フロンティアの30歳リケジョ社長による最新事情の解説。近い将来に起きる三大疾病リスクはもちろん、肌に合う化粧品までわかるというのだ。

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 病を知るとはつまり、自身の中に出来た敵と睨みあい、時に一戦を交えるわけだから、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」ということになる。

 敵は遺伝や生活習慣、あるいはその両方によって生まれるものであって、となると、「己を知」り、コントロールすることが病に打ち克つのに不可欠と言えよう。

 ヒトゲノムの解読が終わったのは2003年4月。己を知ることの次元が変わった瞬間である。

「正確にはヒトゲノムの配列がわかっただけ。“その情報だけでは何もわからない”。この事実が明らかになったということですね」

 と話すのは、株式会社ジーンクエスト代表取締役の高橋祥子(しょうこ)さん(30)。京大農学部を卒えた後、東大大学院の農学生命科学研究科博士課程に在籍中の13年6月、同社を起業した。

 高橋さんは学生時代、特に糖尿病を予防するメカニズムについて研究していた。大規模データを扱って研究するそのスタイルは他の疾病にも応用可能。研究者として生命科学分野を発展させたい。研究成果を社会に持続可能な形で提案する仕組みを作りたい。この2つの想いを実現するための起業だった。

 ジーンクエストは、日本で初めて一般向けに大規模遺伝子解析サービスを提供したフロンティアである。

 4万9800円を支払って解析キットを購入し、唾液を送付して1カ月ほど待てば、生活習慣病などの疾患リスクや、体質に関わる情報など、約300項目について、自身の遺伝情報を知ることができる。

「具体的には、がんや2型糖尿病やアトピー性皮膚炎、骨粗鬆症など多くの病気リスクのほかに、アルコールに強いかどうかや痛みの感じやすさ、記憶力や乳糖耐性、骨密度などの遺伝的な体質などです。その数は研究が進むにつれて増えていくと見込まれています。他社では追加サービスを受ける際に費用が発生することが多いのですが、ジーンクエストは研究が進んで新しい知見が整ったとき、それに伴って無償でメニューを追加するサービスも行なっています」

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