リケジョ社長が解析 “三大疾病リスク”から“肌に合う化粧品”も分かる「遺伝子検査」最新事情

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高橋さん自身も検査

 5万円弱という金額には、

「このサービスを開始した当初はもっと高かったんです。ヒトゲノムが解読されたばかりの03年から比べると、ゲノム解析コストは10万分の1まで下がっています。技術の進展によってコストは年々下がっているので、10年後には無料に近い形でサービスが提供できるようになっているかもしれません」

 むろん、高橋さん自身も検査を受けている。

「知ってよかったと思った項目は結石とアルコールです。結石は過去に一度発症したのですが、お医者さんに原因を聞いても“わからない”と言われてしまいました。遺伝子検査で調べるとやはり【結石の発症リスクが高い】と出たのです。更に結石は遺伝的要因が高いようで、私の母も祖母も以前なったと聞きました。結石は再発率が50%もあります。だから、なるべく水分を多く摂り、結石の原因と言われているシュウ酸を多く含む生のほうれん草は避ける、緑茶よりほうじ茶・麦茶を飲む……など意識するようになりました」

 アルコールについては、

「食道がんのリスクが高いという解析結果を受け、お酒の席にはよく出ますが一度に摂るアルコールの量を抑えるようになりました。体調や日によってお酒が飲める日と飲めない日があり、自分でも強いのか弱いのかよくわかっていなかったのですが、強い人と同じ量を飲んではダメだとわかったのです」

 遺伝子検査を受けることで、病気になる前、主体的に予防の行動をとれる。

 高橋さんの言葉を借りれば、

「新しいテクノロジーによって別の選択肢ができた。健康診断は今の自分の状態を知るためのものですが、遺伝子検査により未来の自分が見えてくる」

 ということになる。

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