「南北首脳会談」を異色の在日脱北者が読み解く ウルトラCは“米軍の北朝鮮駐留”?

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関西生まれで北朝鮮育ち、現在はソウルに居住

 2018年4月27日が歴史的な1日だったかは、後世の検証に委ねられる。だが、南北朝鮮による壮大な政治ショーだったことは、間違いないだろう。

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 この日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(34)は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(65)と会談。冒頭から“サプライズ”な演出が行われ、世界中の目を釘付けにした。

 会談の場所は、軍事境界線のある板門店。登場した金正恩は、境界線上で文在寅と握手し、韓国側に足を踏み入れた。これだけでも充分なインパクトがある。なにしろ朝鮮戦争(1950〜53)は、現在も「休戦」状態。あくまでも名目上は「戦争中」だ。金正恩は「朝鮮戦争後、軍事境界線を越え、初めて韓国に“入国”した北朝鮮の最高指導者」となった。

 さらにサプライズは続く。文在寅が「私はいつごろ、境界線を越えられますか?」と尋ねると、金正恩は「それでは今、超えてみますか?」と返答。なんと2人は、手を繋いで北朝鮮側にも立ち寄ったのだ。

 この後も様々な場面で「南北融和」がアピールされた。これに相当数の韓国人が感激したのは事実だ。聯合ニュースは5月4日、「文大統領支持率 83%に上昇=就任1年目では歴代最高」(電子版)と報じた。世論調査機関の韓国ギャラップは、文在寅の支持率が前週より10ポイント上昇し、83%になったと発表。支持率の上昇は南北首脳会談の影響が極めて大きかった、と分析した。

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