中学受験、「9歳の壁」を越えられるか――絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」

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9歳の壁を越えられるか

 高学年になると、国語なら文章の筋や指示代名詞の理解、心情の読み取りなどが必要になる。算数は文章題や複雑な図形問題が入ってくる。中学受験勉強に取り組むに当たり、その前提になる「9歳の壁」をしっかりと越えられるかどうかが問われる。越えれば勉強が面白く感じられ、越えなければチンプンカンプンで地獄、という分かれ道だ。

 一方、ここで親が「なんでできないの!」とエキサイトすると、子供は勉強が嫌になってしまう。親としては、塾のペースに合わせて進める子と、塾のペースに追いつけず劣等感を抱いてしまう子がいる、という認識を持ってほしい。小学校3、4年の勉強なら、親が問題を見て、子供の理解度を判断できるはずだ。進度が遅いようなら、「9歳の壁」が問題にならない社会の暗記や漢字を6年生の分まで進めるなど、できることを先にさせればいい。

 早めに中学受験塾の入塾テストを受けてみてもいい。点数がとれなければ、最初から難関校狙いの塾には入れず、栄光ゼミナールのような中堅校への進学者が多い塾に入れ、理解が追いついたら転塾させる手もある。そうすれば、子供に「できない」という体験をさせずにすむ。私には娘が2人いるが、長女は実際、栄光ゼミナールに通ったのち、SAPIXに転塾した。

 SAPIXは開成235人、麻布181人、桜蔭184人(2017年)など難関校に圧倒的な実績を上げている。だが頻繁にテストを行い、その成績でクラス分けをしており、下のクラスの子は、お金を出してくれる客であっても生徒としては見ていない。だから、最初から下位のクラスに入れるくらいなら、他塾で実力をつけたほうがいい。

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