中学受験、「9歳の壁」を越えられるか――絶対に失敗しない「塾選び」と「親の関わり方」

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公文式は“評判”確認を

 授業がわからない場合は、親がわかるように教えても、わかりやすく教えてくれると評判の塾に通わせてもいい。一方、できないのは練習量の不足が原因。公文式のように練習量で学力を伸ばす塾に入れるといい。

 この時期の勉強は、字を書いたり計算したりすることが中心だ。練習量を増やすことで対応でき、その結果、できるようになれば子供は喜びを感じる。「わかる」「できた」という体験を重ね、「自分は頭がいい」と思い込んでもらえればしめたもので、そうなれば勉強嫌いにならない。子供はうぬぼれるくらいでちょうどいいのだ。逆に、この時期に処置をしないと、ズルズルと遅れて勉強嫌いになり、高学年で中学受験のために塾に入れたところが、さらに勉強嫌いになる、という悪循環に陥ってしまう。

 公文式について補足したい。練習をたくさんさせるトレーニング型の塾で、個別にどんどん進められ、1年生が2年生や3年生の問題をやったりするので、優越感を覚え、さらに進んでいく。計算や漢字の書き取りなど、身につけておいて損のない内容が中心なので、塾としては無難だ。

 だが、気をつけるべき点もある。教室によって指導者のレベルが違うので、口コミなどで評判を確認すること。また、「公文式に預けているから安心」と考えるのも危険だ。トレーニング型のため、子供の自主性次第で進み方が違ってくるので、親が理解度や進捗具合を観察したほうがいい。そして、できないことを怒るより、できることを褒めよう。子供に喜びを感じさせることが大切だ。その意味でも、小学生のうちは親の目が行き届くリビングで勉強させたほうがいい。

 この時期までは月齢による差も大きい。早生まれの子などで勉強が遅れがちな場合は、能力のせいではなく、成長が早いか遅いかの違いなのだと説明してフォローする必要がある。

 また、発達障害や学習障害の疑いがある場合、自宅で勉強させるほうが適切なこともある。たとえば、漢字の書き取りに1分取り組んだら家のなかを5分歩き、戻ってきて計算をし、というのも立派な勉強だが、そういうペースに対応してくれる塾はあまりない。だが、あのエジソンも発達障害で、母親が学校を辞めさせ、自宅で上のようなペースで学習したという。

 それに発達障害がある子は、自分が面白いと思ったことには過集中する傾向がある。だから褒めながら好きなことを伸ばしてあげて、劣等感を持たせないことだ。将来の大学受験では、1科目飛びぬけていれば難関大学にも合格できるので、悲観することはない。

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